国税庁e-Taxの改修不具合による贈与税申告書の他者閲覧(79人分・関係者含め最大203人)
公表日
国税庁のe-Taxで、79人分の贈与税申告書などが本人以外の利用者から一時的に見られる状態になっていました。贈与者や税理士の情報も含めると影響の可能性があるのは最大203人分で、実際に他人の申告書を見た可能性があるのは19人です。
対象者は?
e-Taxマイページの贈与税関係情報で、申告書等が閲覧できる状態になっていた79人分の申告書等の持ち主です。贈与者や関与税理士の情報を含めると、影響の可能性があるのは最大203人分です。見た可能性があるのは19人です。含まれた情報は、住所・氏名・電話番号・生年月日・職業・贈与財産の種類や金額・税額などです。マイナンバーは元々表示されないため、閲覧されていないとされています。
対象者(申告者、贈与者、関与税理士)には、税務当局の職員が個別に連絡して説明と謝罪を行っていると報じられています。一般向けの確認窓口は、渡された出典には記載がありません。
いますぐできること
- 税務当局から個別の連絡を受けた場合は、その案内に従って内容を確認する。
- e-Taxのお知らせ一覧で、国税庁の最新の案内を確認する。
何が起きたのか
2026年9月24日、国税庁はe-Taxのシステムの改修を行いました。その後、e-Taxマイページで贈与税の申告書などが、本人以外の利用者にも見られる状態になりました。見られる状態だったのは、9月24日8時30分から24時までと、9月25日4時から15時58分までです。9月25日14時ごろ、納税者からの相談窓口への連絡で不具合が分かり、同日15時58分にマイページの機能が停止されました。国税庁は10月2日に発表し、謝罪しました。
なぜ起きたのか・なぜ広がったのか
原因は、9月24日に行ったマイページのシステム改修の際の設定誤りとされています。外部からの不正アクセス使う権限のない人が、他人のIDやパスワード、システムの弱点を使って、サービスやサーバーに入り込むことです。日本では「不正アクセス禁止法」で禁止されている犯罪です。やサイバー攻撃ではなく、ログインした正規の利用者に別の人の申告情報が表示された事象と説明されています。具体的にどの処理に問題があったかは、まだ発表されていません。
いまの状況2026-10-14 時点続報待ち
他人の申告書を見た可能性がある19人には連絡がつき、データが保存されていなかったことが確認されています。二次被害は確認されていません。国税庁は再発防止に努めるとしていますが、具体的な再発防止策はまだ発表されていません。マイページ機能の再開時期も、渡された出典には記載がありません。
企業として考えたいこと
自社のシステムで、ログインした利用者に他人のデータが表示されないことを、システムの改修のたびに確認できる仕組みになっていますか。
技術的な要約
国税庁は2026年10月2日、e-Taxマイページで79人分の贈与税申告書などが本人以外の利用者から一時的に閲覧できる状態になっていたと発表した。閲覧できた期間は9月24日8時30分から24時まで、および9月25日4時から15時58分までで、原因は9月24日のマイページのシステム改修の際の設定誤りとされる。申告書には贈与者や関与税理士の情報も記載されており、個人情報が影響を受けた可能性があるのは合計203人分、実際に他人の申告書を閲覧した可能性があるのは19人である。国税庁は、外部からの不正アクセスやサイバー攻撃ではなく、認証済みの正規利用者に別人の申告情報が表示された事象と説明している。19人にはデータが保存されていなかったことを確認済みで、二次被害は確認されていない。具体的にどの処理に不具合があったかは公表されておらず、再発防止策の具体像も示されていない。
公開情報が限られている点について
攻撃の分類
- 侵入口
- 不明報道・研究者外部からの不正アクセスやサイバー攻撃ではなく、認証済みの正規利用者に誤った申告情報が紐付いて表示された事象と報じられている。詳細確認にはマイナンバーカード等の電子証明書による認証が必要。原因は9月24日に行ったe-Taxマイページのシステム改修の際の設定誤りとされ、具体的にどの処理に問題があったかは公表されていない。
- 脆弱性
- CVE 非公表報道・研究者e-Taxマイページ(贈与税関係情報)9月24日のシステム改修の際の設定誤りとされる。具体的な処理は非公表。9月24日の機能追加が誤表示を直接発生させたとまでは公表されていない。
- 攻撃者
- 特定・主張なし
- ATT&CK
- —
影響
- 業務停止
- あり 誤表示の判明後、9月25日15時58分にe-Taxマイページに関する機能の利用を停止し改修を行った。あわせて9月24日のマイナポータル経由ログイン不可、インターネットバンキング納付の完了表示不具合、9月25日の一部機能の利用不可、e-Taxソフトの不具合が発生したが、これらは今回の誤表示とは別事象とされ、いずれも解消済み。国税システム更改に伴う計画メンテナンス(9月19日0:00〜9月24日8:30、9月26日終日)もあった。期間:マイページ機能の停止は9月25日15時58分から(再開時期は出典に記載なし)。
- データ
- おそれ上限 203確定 —人氏名住所電話生年月日その他贈与税申告書等の持ち主79人分が閲覧可能になり、贈与者・関与税理士の情報を含め影響の可能性があるのは合計203人分。実際に他人の申告書を閲覧した可能性があるのは19人で、保存した形跡はなく流出は確認されていない。含まれる情報は、受贈者の住所・氏名・電話番号・生年月日・職業・贈与財産の種類・数量・金額等・税額、贈与者の住所・氏名・生年月日・受贈者との続柄、関与税理士の事務所所在地・名称・氏名・電話番号。対象には医療法人など法人が受贈者のケースも含まれる。対象書類は8種。マイナンバーは元々表示されないため閲覧されていない。
- 波及先
- —
- 金銭影響
- —
- サプライチェーン
- —
時系列
- 2025-01-06e-Taxマイページの贈与税関係欄が、e-Taxで提出した贈与税申告書を本人が確認できる機能として開始された。1
- 2026-09-19国税システム更改に伴うe-Taxのメンテナンスによる利用不可時間が始まった(〜9月24日8:30)。4
- 2026-09-24 08:30
- 2026-09-24
- 2026-09-25
- 2026-09-25 04:00閲覧できる状態にあった2回目の期間が始まった(15時58分まで)。9
- 2026-09-25 14:00納税者からe-Taxの相談窓口に連絡があり、不具合が判明した。9
- 2026-09-25 15:58国税庁がe-Taxマイページに関する機能の利用を停止し、必要なシステム改修を行った。9
- 2026-09-26
- 2026-10-02
- 2026-10-03報道によれば、10月3日朝時点で国税庁の新着情報やe-Taxのお知らせ一覧にこの件の発表資料は確認できなかった。1
- 2026-10-19
技術解説
確認できる事実:閲覧状態の範囲と期間 事実
国税庁は2026年10月2日、e-Taxマイページの贈与税関係情報で、79人分の贈与税申告書などが本人以外の利用者から一時的に閲覧できる状態になっていたと発表したと報じられている。閲覧できた期間は9月24日8時30分から24時まで、および9月25日4時から15時58分までである。申告書には贈与者や関与税理士の情報も記載されており、影響の可能性がある個人情報は合計203人分、実際に他人の申告書を閲覧した可能性があるのは19人とされる。19人には接触済みで、データが保存されていなかったことを確認したという。二次被害は確認されていない。マイナンバーは元々表示されないため、閲覧されていないとされる。
確認できる事実:原因として示された内容と未公表の点 事実
原因は、9月24日に行ったe-Taxマイページのシステム改修の際の設定誤りと報じられている。外部からの不正アクセスやサイバー攻撃ではなく、認証済みの正規利用者に別人の申告情報が紐付いて表示された事象とされる。詳細確認にはマイナンバーカード等の電子証明書が必要である。一方で、具体的にどの処理に不具合があったかは公表されていない。報道された24日の改修が、国税システム更改そのものか、贈与税関係情報の機能追加か、別の改修かも明らかにされていない。9月24日の機能追加が誤表示を直接発生させたとまでは公表されていない。
確認できる事実:判明から機能停止までの流れと同時期の別事象 事実
9月25日14時頃、納税者からe-Taxの相談窓口に連絡があり、不具合が判明した。国税庁は同日15時58分にe-Taxマイページに関する機能の利用を停止し、必要なシステム改修を行った。同時期には、マイナポータル経由のログイン不可、インターネットバンキング納付の完了表示の不具合、e-Taxソフトの不具合なども起きたが、今回の誤表示とは別事象とされ、いずれも解消済みと伝えられている。国税システムは約25年ぶりの更改で、9月19日0時から24日8時30分までと26日終日のメンテナンスも設定されていた。追加3機能の情報がマイページに反映されるのは10月19日以降で、報道された閲覧期間はその前にあたる。
解釈:大規模更改と同時期の改修という見方、公表をめぐる論点 解釈
以下は事実から導いた解釈であり、公表された原因の説明ではない。約25年ぶりの基幹システム更改と同時期に複数の不具合が起きており、改修が重なると障害の切り分けや影響範囲の確認が難しくなる可能性がある。ただし、本件の誤表示とこれらの関係は公表されていない。今回の不具合は利用者からの連絡で判明しており、利用者窓口が検知の入口になったと読める。一方、運用側が自ら異常を検知できたかどうかは公表情報からは分からない。10月3日朝時点で、国税庁の新着情報やお知らせ一覧に本件の発表資料が確認できなかったと報じられている。再発防止策の具体像も示されておらず、評価は続報を待つ必要がある。
対応
- 封じ込め
- 9月25日15時58分にe-Taxマイページに関する機能の利用を停止し、必要なシステム改修を行った。閲覧した可能性のある19人全員に接触して情報の保秘・消去を依頼し、データが保存されていなかったことを確認した。対象者(申告者、贈与者、関与税理士)には税務当局の職員が個別に連絡し、経緯の説明と謝罪を行っている。
- 公表の仕方
- 2026年10月2日に国税庁が発表し、謝罪した。「再発防止の徹底に万全を期し、税務行政の信頼の確保に努めてまいります」とコメントしたが、具体的な再発防止策は示されていない。報道によれば10月3日朝時点で、国税庁の新着情報やe-Taxのお知らせ一覧には本件の発表資料が確認できなかった。
- 当局対応
- —
教訓と対策
| 教訓 | 具体的な対策 |
|---|---|
| 認証後の認可、つまり表示するデータが本人のものかの確認が別に必要である。 | 認証済みセッションのユーザーIDと、返却するレコードの所有者IDを、サーバ側のデータ取得層で必ず突合する。突合に失敗した場合は、データを返さずエラーにして記録する。 |
| 設定変更を伴う改修は、他人のデータが見えないことを個別に試験する必要がある。 | リリース前のテストに、複数ユーザーで相互にデータが見えないことを確認する自動テストを組み込む。設定ファイルの変更もコードと同様にレビューする。 |
| 大規模更改と機能追加が重なる時期は、切り分けと影響範囲の確認が難しくなる。 | 機能のリリースを段階的に行い、フィーチャーフラグで個別に停止できるようにする。リリース直後は、異常な閲覧パターンを監視するアラートを強化する。 |
| 利用者からの連絡が検知の入口になることがある。 | 問い合わせ窓口から開発・運用の担当者へ、情報漏えいの疑いを即時にエスカレーションする手順を決める。あわせて、他人のデータが表示されたこと自体を検知する指標をログから作る。 |
| 閲覧された範囲と期間を特定できるアクセスログが、影響範囲の説明を支える。 | 誰がどのレコードを閲覧したかを記録する監査ログを保持し、対象者の抽出を即座に行えるようにしておく。保存期間も決めておく。 |
自組織などでの確認項目
- 自組織のWebシステムで、ログイン済みユーザーが他人のデータを取得できないことを、サーバ側のどこで確認しているか。
- 設定の変更だけのリリースでも、ユーザー間のデータ分離を確認するテストを実施しているか。
- 利用者や取引先から「他人の情報が見える」と連絡があった場合、誰にいつまでに伝わる手順になっているか。
未解明点
- 具体的にどの処理の設定誤りで別人の申告情報が表示されたのか。
- 報道された9月24日の改修は、国税システム更改そのものか、贈与税関係情報の機能追加か、別の改修か。
- 9月25日0時から4時までの緊急メンテナンスと、閲覧できた2つの期間の関係はどうなっているか。
- 再発防止策の具体的な内容と、e-Taxマイページ機能の再開時期はどうなるか。
出典
- 1innovaTopia2026-10-03報道本文確認済
- 2NHK2026-10-02報道本文確認済
- 3セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2026-10-02報道本文確認済
- 4創業手帳2026-09-18報道本文確認済
- 5創業手帳2026-09-30報道本文確認済
- 6国税庁(e-Tax)2026-05-27公式本文確認済
- 7国税庁 e-Tax2026-09-27公式本文確認済
- 8国税庁 e-Tax2026-10-13公式本文確認済
- 9新日本法規出版(週刊T&A master)2026-10-09報道本文確認済