Integral Security Reportインテグラル セキュリティ レポート
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2026-r47c09802その他最終確認 2026-10-14 17:47

東山産業へのランサムウェア攻撃(委託元のフランスベッド、ヤマシタ、ナンブの顧客情報に影響のおそれ)

公表日

東山産業株式会社
続報ありランサムウェア不正アクセスサプライチェーンサプライチェーン:起点

福祉用具レンタル関連業務を受託する東山産業がランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。攻撃を受け、委託元のフランスベッド、ヤマシタ、ナンブの顧客情報に影響のおそれが出ました。影響を受けた人数はまだ発表されていません。

対象者は?

フランスベッド、ヤマシタ、ナンブの福祉用具レンタルサービスを利用している顧客の一部。フランスベッドは氏名や住所などの連絡先情報と説明し、対象地域は千葉県、愛知県、三重県、京都府、大阪府の一部としています。ヤマシタは氏名・電話番号・住所の3項目です。件数は発表されていません。

利用している事業者の公式のお知らせを確認し、不明な点は各社の営業所や担当者に問い合わせてください。

いますぐできること

  • 利用している福祉用具レンタル事業者からのお知らせを確認する。
  • 知らない番号からの電話やメールで、個人情報や金融情報を伝えない。
  • ヤマシタの担当者を名乗る不審な連絡があれば、営業所や担当者へ連絡する。

何が起きたのか

東山産業は2026年3月6日にランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。攻撃を確認し、3月10日に公表しました。同社は福祉用具レンタルの関連業務を受託しており、委託元のフランスベッドは3月19日に、ヤマシタは3月30日に、ナンブは4月13日に、それぞれ公表しました。ヤマシタとナンブは情報が漏れた可能性があるとし、フランスベッドの公表時点では流出の事実は確認されていないとされました。4月9日にはQilinが犯行を主張し、5月にはデータの公開が確認されたと報じられました。

なぜ起きたのか・なぜ広がったのか

侵入経路は発表されていません。委託元の顧客情報の一部が東山産業のサーバー等にあったため、委託元3社にも影響のおそれが及びました。フランスベッド本体のシステム障害ではないと説明されています。

いまの状況2026-06-03 時点続報待ち

2026年6月3日時点で、東山産業は4月22日に第3報、5月12日に第4報を公表し、5月25日に「セキュリティ対策強化に関するご報告」を掲載しています。これらの内容は、確認できた情報には含まれていません。影響を受けた人数と復旧完了時期は、まだ発表されていません。

企業として考えたいこと

自社が個人情報の処理を任せている取引先が被害を受けたとき、その取引先がどんな情報を持っていて、どれだけ早く連絡が来るかを、いま説明できますか。

技術的な要約

東山産業は2026年3月10日、自社サーバー等が第三者による不正アクセスを受けランサムウェア被害が発生したと公表した。同社は3月6日にランサムウェア攻撃を確認しており、被害サーバーを外部から遮断して外部専門機関と調査を進めた。同社は福祉用具レンタルサービス関連業務を受託しており、委託元のフランスベッド、ヤマシタ、ナンブが自社顧客の情報への影響や漏えいの可能性を公表した。Qilinが2026年4月9日に犯行を主張しており、5月にはデータの公開が確認されたと報じられた。公表の一覧には2026年5月25日付の「セキュリティ対策強化に関するご報告」も掲載されている。

公開情報が限られている点について
侵入経路・流出件数・復旧完了時期などが渡された facts に含まれないため、該当項目は null または空としている。
侵入
—
被害発生
2026-03-06
検知
2026-03-06
第1報公表
2026-03-10
最新続報
2026-06-03
侵入 → 検知
—
侵入日が非公表
検知 → 公表
4日
データ(上限)
—
確定 —
波及先
3
社

攻撃の分類

侵入口
不明
東山産業は「第三者による不正アクセスを受け、ランサムウェア攻撃による被害を受けた」と公表しているが、侵入経路は示されていない。
脆弱性
判明している脆弱性はありません
攻撃者
Qilin 被害組織の言及なし
2026年4月9日に犯行を公に主張。交渉が始まらなければ機密データを公開するとの恐喝通告を投稿し、「会社の代表者が連絡経路で連絡してこない限り全データのリークをまもなく公開する」と述べた。
ATT&CK

影響

業務停止
あり 社内システムが使用できない状況が続いた一方、受発注業務は通常どおり受け付けているとされた。
期間:3月時点で社内システム停止が継続。終了時期は公表されていない。
データ
おそれ上限 —確定 —
氏名住所電話
ヤマシタは氏名・電話番号・住所の3項目の漏えい可能性を公表。フランスベッドは氏名や住所などの連絡先情報と説明。3月時点では流出の事実は確認されていないとされたが、ナンブは4月3日付の東山産業の報告で漏えいの可能性を発表した。Qilinのリークページの画像が真正かは外部から断定できないとされる。件数は非公表。
波及先
3 社
  • フランスベッド
  • ヤマシタ
  • ナンブ
金銭影響
—
サプライチェーン
福祉用具レンタルサービス関連業務の受託先である東山産業のサーバーが被害を受け、委託元のフランスベッド、ヤマシタ、ナンブの顧客情報に影響のおそれが生じた。フランスベッド本体のシステム障害ではない。

時系列

  1. 2026-03-06
    東山産業がシステムに対するランサムウェア攻撃を確認し、外部専門機関と連携して調査を開始。78
  2. 2026-03-10
    東山産業が自社サーバー等へのランサムウェア被害を公表。外部専門家の助言のもと調査に着手し、警視庁へ被害申告・相談、所轄警察署への被害届の提出準備を行った。103
  3. 2026-03-10
    フランスベッドが、委託先の東山産業からランサムウェア攻撃を受けたとの報告を受けた。52
  4. 2026-03-18
    東山産業が続報を公表。被害サーバーを外部から遮断し調査と復旧を進めていること、情報漏えいが発生したと考えられる事案は現時点で確認できていないことを説明。310
  5. 2026-03-19
    フランスベッドが取引先へのサイバー攻撃について発表。5
  6. 2026-03-30
    ヤマシタが、委託先の東山産業での被害により福祉用具レンタル利用者の一部の個人情報が漏えいした可能性があると公表。4
  7. 2026-04-03
    東山産業からナンブへ、データ暗号化と情報漏えいの可能性について報告があった。6
  8. 2026-04-09
    Qilinが東山産業への攻撃の犯行を主張し、交渉が始まらなければデータを公開するとの通告を投稿。9
  9. 2026-04-13
    ナンブが、委託先の東山産業への不正アクセスによる個人情報漏えいの可能性を発表。6
  10. 2026-04-22
    東山産業が第3報を発表。7
  11. 2026-05-12
    東山産業が第4報を発表。8
  12. 2026-05-25
    東山産業が「セキュリティ対策強化に関するご報告」を掲載。10

技術解説

攻撃の確認から公表までの経過 事実

東山産業は2026年3月6日に同社システムへのランサムウェア攻撃を確認し、外部専門機関と連携して調査を進めた。3月10日に、自社サーバー等が第三者による不正アクセスを受け、ランサムウェア被害が発生したと公表した。同社は外部専門家の助言のもとで被害状況・原因等の調査に着手し、警視庁へ被害申告・相談を行い、所轄警察署へ被害届の提出準備をしているとした。3月18日の続報では、被害サーバーを外部から遮断して調査と復旧を進めていること、情報漏えいが発生したと考えられる事案は現時点で確認できていないことを説明した。その後、4月22日に第3報、5月12日に第4報が発表され、5月25日に「セキュリティ対策強化に関するご報告」が掲載された。侵入日と侵入経路は、渡された情報の範囲では示されていない。

委託元3社への波及と情報の範囲 事実

東山産業は福祉用具レンタルサービスに関連する業務を受託し、サービス提供に必要な範囲の顧客情報を管理していた。フランスベッドは3月19日に取引先へのサイバー攻撃として発表し、本体のシステム障害ではなく委託先サーバー等への攻撃だと説明した。管理情報は氏名や住所などの連絡先情報で、対象地域は千葉県、愛知県、三重県、京都府、大阪府の一部とされる。同社の公表時点では、流出や不正利用の事実は確認されていないとされた。ヤマシタは3月30日、利用者の一部について氏名・電話番号・住所の3項目が漏えいした可能性があると公表した。ナンブは4月3日に東山産業から暗号化と漏えいの可能性の報告を受け、4月13日に発表した。いずれも件数は示されていない。

Qilinの犯行主張とリークページ 事実

ランサムウェアグループQilinは2026年4月9日、東山産業への攻撃の犯行を公に主張した。これは攻撃者側の主張であり、東山産業が認めたかどうかは示されていない。Qilinは、交渉が始まらなければ機密データを公開するとの通告を投稿し、会社の代表者が提示した連絡経路で連絡してこない限り全データのリークをまもなく公開する旨を述べたと引用されている。リークページには会社名とURLが載り、「22 photos」の表示と、会計資料・帳票類・人事関連書類に見えるサムネイル画像が並んでいたという。同記事は、取引先情報や個人情報は確認できなかったこと、画像が真正な流出データか、実データをどこまで保持しているかは外部から断定できないことも伝えている。5月にはデータの公開を確認したとする報道もある。

委託先を起点とする影響の読み方 解釈

本件は、委託先である東山産業のサーバー等が被害を受け、その影響が委託元3社の顧客情報に及ぶおそれが生じた構図とみられる。委託元の自社システムが侵害されていなくても、委託先が顧客情報を保管していれば、漏えい可能性の判断や利用者への案内は委託元側にも生じる。3社は別々の日付で公表しており、委託先からの報告が段階的に届いた可能性がうかがえる。ただし、報告時期や内容の差がどの要因によるものかは、公表情報からは分からない。この点は断定できず、今後の公表を待つ必要がある。

一般的な傾向との関係と留意点 解釈

Talosの調査は、2025年の日本のランサムウェア事案134件のうち22件(16.4%)がQilinによるものだったと示している。また、Qilinは主に窃取した認証情報で初期侵入を行うとし、ランサムウェア実行は初期侵害の平均約6日後だったとしている。これらは複数事案に関する一般的な知見であり、東山産業の侵入経路や、侵入から暗号化までの日数が同じだったことを示すものではない。同社の経路は公表されておらず、攻撃者の主張も同社は認めていない。そのため、この知見は自組織の検知や認証情報管理を点検する際の参考にとどめ、本件の原因とは切り離して読むのが妥当である。

対応

封じ込め
被害のあったサーバーを直ちに外部との接続から遮断。ウイルスチェックで安全性を確認したパソコンのみを利用し、メールを含むクラウドサービスのパスワードを変更した。外部専門機関と連携して調査と復旧を進めた。
公表の仕方
東山産業が2026年3月10日に第1報、3月18日に続報、4月22日に第3報、5月12日に第4報を公表し、5月25日にセキュリティ対策強化の報告を掲載。委託元のフランスベッド、ヤマシタ、ナンブがそれぞれ個別に公表した。ヤマシタは不審な電話やメールへの注意を呼びかけた。
当局対応
  • 警視庁(被害申告・相談)
  • 所轄警察署(被害届の提出準備)

教訓と対策

教訓具体的な対策
委託先に預けている個人情報の種類と保管場所を、委託元が把握しておく必要がある。委託先ごとに預託データ項目、件数の概数、保管システムを台帳化し、年1回以上更新する。契約に、インシデント時の通知期限と通知項目(影響項目・件数・暗号化の有無)を明記する。
委託先の被害は、委託元の公表時期や説明内容にばらつきを生みうる。委託先向けの連絡テンプレートと窓口を事前に用意し、事案発生時に影響範囲の報告を段階ごとに受ける手順(初報・続報の期限)を決めておく。
事案の初期には「漏えい未確認」と「漏えいの可能性」が併存し、状況が変わりうる。公表文で確定事項と調査中の事項を分けて書く様式を整え、続報の更新条件(ログ解析完了、攻撃者の公開確認など)を事前に定める。
攻撃者のリークサイトで公開が始まる場合に備える必要がある。自社名・ドメインをリークサイト監視の対象に登録し、掲載を検知したら法務・広報・情報システムが集まる手順を用意する。画像の真正性は別途フォレンジックで検証する。
被害サーバーの遮断と認証情報の入れ替えは、初動で重要になる。感染端末・サーバーをネットワークから隔離する手順書を作り、メールやクラウドのパスワード一括変更、多要素認証の再登録を訓練で確認する。復旧は被害資産を戻さず新規構築する方針も検討する。

自組織などでの確認項目

  1. 自組織が個人情報の取り扱いを委託している先を一覧にできるか。各委託先が保管する項目を、今日確認できるか。
  2. 委託先がランサムウェア被害を受けた場合、委託契約上の通知期限と、通知に含まれる項目は決まっているか。
  3. 公表時に確定事項と調査中の事項を分けて書く手順が、自組織の広報・法務・情報システムの間で共有されているか。
  4. 自組織の名前がリークサイトに掲載された場合、誰が検知し、誰が判断するか。連絡経路は定まっているか。

未解明点

  • 侵入経路と侵入日は公表されているか。渡された情報の範囲では示されていない。
  • 委託元3社それぞれの対象者数と、流出が確認された件数はどれだけか。
  • Qilinが公開したデータに個人情報や取引先情報が含まれているか。第3報・第4報・5月25日の報告の具体的内容は何か。
  • 社内システムの復旧完了時期はいつか。再発防止策の実施状況はどうか。

出典

  1. 1
  2. 2
    セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2026-03-23報道本文確認済
  3. 3
  4. 4
    セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2026-04-01報道本文確認済
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
    DeXpose2026-04-09研究者本文確認済
  10. 10