札幌市豊平区土木部ホームページでの個人情報漏えい(庁内限定の住宅地図データを誤掲載、延べ259件)
公表日
札幌市豊平区土木部のホームページに、庁内限定の住宅地図データを使った位置図が誤って掲載され、4地区の個人宅の氏名及び名字が延べ259件分見られる状態になっていました。掲載は2025年11月18日から2026年5月28日までです。
対象者は?
平岸7条13丁目周辺、月寒西1条3丁目周辺、西岡2条3丁目周辺、西岡2条12丁目周辺にある個人宅の氏名及び名字(平成28年版の住宅地図データ)です。対象件数は延べ259件と公表されています。公表された内容では、漏えいしたのは氏名及び名字で、それ以外の情報には触れられていません。
札幌市豊平区の土木センターのページにある「個人情報漏えいに関するお詫び」で、対象地区を確認できます。該当する方への個別の連絡があるかどうかは、まだ発表されていません。
いますぐできること
- 上記4地区の周辺にお住まいの方は、豊平区土木部の「個人情報漏えいに関するお詫び」を読み、ご自宅の地区が対象かどうかを確認する。
何が起きたのか
豊平区土木部のホームページには、冬の通行禁止を知らせるページがあり、毎年、個人情報を含まない位置図が載っていました。昨年の通行禁止に合わせてこのページを更新したとき、庁内でしか使えない住宅地図データを使った位置図に誤って変えてしまいました。その位置図には、4つの地区の個人宅の氏名及び名字が含まれていました。掲載は2025年11月18日から続き、2026年5月28日に問題が見つかった日に公開を止めました。区は2026年8月7日にお詫びを発表しました。
なぜ起きたのか・なぜ広がったのか
公式の説明では、担当職員がその位置図が庁内使用に限られていることを知らず、過去の更新内容を確認しないまま、ふつうのページ更新と思って作業を進めたことが原因です。問題が見つかるまでの経緯は、まだ発表されていません。
いまの状況2026-08-07 時点
問題の位置図の公開は2026年5月28日に止められています。部内で同じような事案がないか点検し、本件以外の事案はなかったとしています。再発防止として、情報を公開するときは複数名の職員で個人情報が含まれていないか確認し、使用に制限のある地図データを使うときは使用条件などの確認を徹底するとしています。閲覧された状況や、該当する方への個別の連絡については、まだ発表されていません。
企業として考えたいこと
自社のホームページや資料に載せている地図・画像・図面の中に、社内限定のものや使用条件のあるものが混ざっていないか、公開前と公開後にそれぞれ誰がどう確認していますか。
技術的な要約
札幌市豊平区土木部のホームページ「冬期間の通行禁止についてのお知らせ」ページで、庁内使用に限定された住宅地図データを用いた位置図が誤って掲載され、個人宅の氏名及び名字が漏えいした。昨年の通行禁止に係るページ更新時に、位置図を誤って差し替えたことが原因で、2025年11月18日の更新日から2026年5月28日の発覚まで掲載が続いた。対象は平成28年版の住宅地図データを使った4地区の個人宅の氏名及び名字で、延べ259件である。発覚日の2026年5月28日に公開を停止し、2026年8月7日に区が発表・お詫びを掲載した。部内で同様事案の点検を行い、本件以外の事案はなかったとしている。
公開情報が限られている点について
攻撃の分類
- 侵入口
- 不明公表で確認外部からの攻撃ではなく、職員のページ更新時の誤操作による誤公開。公式は「担当職員において当該位置図が庁内使用に限定されていることを認識していなかった」と説明している。
- 脆弱性
- 判明している脆弱性はありません
- 攻撃者
- 特定・主張なし
- ATT&CK
- —
影響
- 業務停止
- なし 業務停止の記載はない。当該位置図の公開を停止した。
- データ
- 確定上限 259確定 —件氏名平岸7条13丁目周辺、月寒西1条3丁目周辺、西岡2条3丁目周辺、西岡2条12丁目周辺にある個人宅の氏名及び名字。平成28年版の住宅地図データを使用。対象件数は延べ259件。
- 波及先
- —
- 金銭影響
- —
- サプライチェーン
- —
時系列
技術解説
公開された内容と対象範囲 事実
豊平区土木部のホームページ内「冬期間の通行禁止についてのお知らせ」のページは、毎年同じ路線・区間で通行禁止を実施するため、個人情報を含まない適正な位置図が常時閲覧可能となっていた。昨年の通行禁止に係るページ更新時に、誤って庁内使用に限定されている住宅地図データを用いた位置図へ変更した。公開されたのは平成28年版の住宅地図データを使った、平岸7条13丁目周辺、月寒西1条3丁目周辺、西岡2条3丁目周辺、西岡2条12丁目周辺にある個人宅の氏名及び名字である。対象件数は公式に「延べ259件」と記載されている。公式が示す原因は職員の事務処理であり、外部からの侵入に関する記載はない。
掲載期間と公表までの経過 事実
更新日の令和7年11月18日から、本件が発覚した令和8年5月28日までの期間、個人情報を含む不適切な位置図が掲載されていた。発覚した5月28日に、直ちに当該位置図の公開を停止した。その後、部内職員に本事案を周知して同様の事案が生じていないか点検を行い、本件以外の事案は無いことを確認したとしている。区は2026年8月7日に本件を発表し、土木センターのページに「個人情報漏えいに関するお詫び」を令和8年8月7日付で掲載した。再発防止策として、情報公開時に個人情報が含まれていないか複数名の職員で確認することを徹底し、使用制限のある地図データを使う際は使用条件等の確認を徹底するとしている。
誤公開が起きやすかった構造(解釈) 解釈
公式は、担当職員が位置図の庁内限定という制限を認識していなかったこと、過去の更新内容を確認せず一般的なページ更新と誤認したことを原因に挙げている。個人の注意の問題として見るだけでなく、データの使用制限が更新作業の画面や手順の中で見えにくかった点が背景にある可能性がある。毎年同じ路線・区間で繰り返される定型の更新作業は、前年の内容を確認する工程が省かれやすいとも考えられる。ただし、公式は更新手順や公開前の承認の仕組みの詳細を公表していない。ここで述べたのは公表された原因からの推測であり、実際の運用は確認されていない。
約6か月間気付かれなかった理由と公表内容の評価(解釈) 解釈
掲載は更新日から発覚まで約6か月続いた。公開後に内容を点検する仕組みがなかったのか、あっても働かなかったのかは、公表された範囲では分からない。公表文は、対象地区、件数、掲載期間、原因、再発防止策まで具体的に書かれており、読者が影響範囲を把握しやすい。一方で、発覚の経緯、閲覧された実績の有無、該当する住民への個別の連絡、関係機関への報告については記載が見当たらない。これらは記載がないというだけで、実施されていないと断定できるものではない。公開前の複数名確認に加え、公開後の定期点検も論点になり得る。
対応
- 封じ込め
- 発覚した令和8年5月28日に直ちに当該位置図の公開を停止した。部内職員に周知し同様事案の点検を行い、本件以外の事案はないことを確認した。
- 公表の仕方
- 2026年8月7日付で豊平区土木部が「個人情報漏えいに関するお詫び」を土木センターのページに掲載。再発防止として、情報公開時に個人情報が含まれていないか複数名の職員で確認することを徹底し、使用制限のある地図データを使う際は使用条件等の確認を徹底するとしている。
- 当局対応
- —
教訓と対策
| 教訓 | 具体的な対策 |
|---|---|
| 使用制限付きのデータは、制限が作業者に見える形で管理する必要がある。 | 地図・画像・PDFなどの外部由来データについて、利用範囲(庁内限定/公開可)を記した台帳を作る。ファイル名の接頭辞(例: INTERNAL_)や透かしで庁内限定を示し、CMSの公開用アセット置き場には庁内限定のファイルを置けないよう、保存先とアクセス権を分離する。 |
| 毎年繰り返す定型更新ほど、前回の内容を確認する工程が抜けやすい。 | 定型更新ごとに手順書とチェックリストを用意し、「前回公開した内容と差分を確認する」「差し替える素材の利用条件を確認する」を必須項目にする。CMSの更新履歴で差し替え前後を並べて見られるようにし、差分確認の記録を残す。 |
| 公開前の確認を、個人の判断ではなく仕組みとして組み込む。 | CMSに作成者と承認者を分ける承認ワークフローを設定し、画像や地図の差し替えは承認なしでは公開できないようにする。承認画面には「個人情報の有無」「データの利用条件」の確認チェックを必須入力として表示する。 |
| 公開後に内容を点検する仕組みがないと、誤公開が長く続くおそれがある。 | 公開中ページの画像・PDFを定期的に棚卸しする運用を決める。例として四半期ごとに、庁内限定データと同じ元データやファイル名のものが公開領域にないか照合する。氏名や住所が写り込む画像を検出するスクリプトの導入も検討する。 |
| 発覚時の即時停止と、同種の事案がないかの横展開点検は有効な対応である。 | 誤公開が見つかった際の手順として、対象ページ・ファイルの非公開化、検索エンジンのキャッシュ削除依頼、他ページの同種データの全件検索までを一連の手順書に書く。点検結果は担当者・日付・範囲とともに記録する。 |
自組織などでの確認項目
- 自組織のWebサイトやSNSに載せている地図・図面・画像の中に、利用範囲が社内限定のものや、契約上の使用条件があるものはないか。その一覧は管理されているか。
- 年に一度など定期的に行うページ更新で、前回の内容や差し替える素材の利用条件を確認する手順は文書になっているか。担当が替わっても同じ確認ができるか。
- 公開前に複数人で確認する決まりがある場合、その確認は実際に記録として残っているか。また、公開後に誤公開を見つけるための定期点検は誰がいつ行っているか。
未解明点
- 本件はどのような経緯で2026年5月28日に発覚したのか。公表文には記載がない。
- 不適切な位置図が実際にどの程度閲覧・取得されたのか。閲覧状況の調査結果は公表されていない。
- 対象の「延べ259件」の数え方(世帯・氏名の件数など)と、該当する個人への個別の連絡の有無は公表されていない。
- 発覚(5月28日)から発表(8月7日)までの間に、どのような確認や調整が行われたのか。公表文には記載がない。
出典
- 1ScanNetSecurity2026-08-28報道本文確認済
- 2札幌市豊平区2026-08-07公式本文確認済
- 3札幌市豊平区土木部2026-08-07公式本文確認済