Integral Security Reportインテグラル セキュリティ レポート
← 一覧に戻る
2025-r5fa72951製造最終確認 2026-10-13 19:59

ダイヤモンドエレクトリックHD海外連結子会社(タイ)へのランサムウェア攻撃(生産影響・情報流出は未確認)

公表日

ダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社 · 上場
続報ありランサムウェア不正アクセス

ダイヤモンドエレクトリックホールディングスのタイの子会社が2025年9月8日にランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。攻撃を受け、現地サーバーと一部のパソコンのデータが暗号化された。会社は、生産への影響はなく、情報流出は確認されていないと発表している。

何が起きたのか

2025年9月8日の日本時間午前11時頃、タイの子会社「タイダイヤゼブラ電機」のネットワークに第三者が不正に入り、現地のサーバーと一部のパソコンがランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。(データを暗号化して使えなくするウイルス)に感染しました。会社は発覚後すぐに、この子会社を外部やグループ内のネットワークから切り離し、感染した機器の使用を止めました。翌9日から現地の専門会社と調査を始め、9月26日に第1報、11月5日に第2報を公表しました。

なぜ起きたのか・なぜ広がったのか

侵入の経路や原因は、まだ発表されていません。

いまの状況2025-11-05 時点続報待ち

11月5日の第2報で、会社は次のように発表しています。工場の稼働と生産に支障はありません。専門家の調査では、個人情報や機密情報が外部に出たことは確認されていません。暗号化された一部のサーバーはバックアップから復旧が終わりました。連結業績への影響はないとしています。攻撃者の情報や被害の件数は、まだ発表されていません。

企業として考えたいこと

あなたの会社の海外拠点でも、感染が疑われたとき、すぐにネットワークから切り離し、バックアップから復旧できる準備ができていますか。

技術的な要約

ダイヤモンドエレクトリックホールディングスは2025年9月26日、海外連結子会社Thai Diamond & Zebra Electric Co., Ltd.(タイダイヤゼブラ電機)がランサムウェア被害を受けたと公表した。日本時間2025年9月8日午前11時頃にネットワークシステムへ第三者から不正アクセスがあり、現地サーバーと一部のパソコンが感染してデータが暗号化された。発覚後は外部およびグループ間ネットワークとの遮断、感染機器の使用停止を行い、翌9日から現地セキュリティ専門会社の協力で調査を開始した。11月5日の第2報では、生産への影響はなく、個人情報・機密情報の流出は未確認で、暗号化された一部サーバはバックアップから復旧済みとし、連結業績への影響はないとしている。

公開情報が限られている点について
公開情報は第1報・第2報が中心で、侵入経路、攻撃者、被害規模の件数などは公表されていないため、該当項目は不明(null/空)とした。生産への影響はなしと公表されているため core_days は null とした(判定情報の core_days=9 は facts で裏付けられない)。MITRE ATT&CK は公表事実から対応づけられる1件のみ。
侵入
2025-09-08 11:00
被害発生
2025-09-08 11:00
検知
2025-09-08
第1報公表
2025-09-26
最新続報
2025-11-05
侵入 → 検知
0日
侵入日から算出
検知 → 公表
18日
データ(上限)
—
確定 —
波及先
—

攻撃の分類

侵入口
不明
公式発表は「第三者による不正アクセス」とのみ記載しており、侵入経路は公表されていない。
脆弱性
判明している脆弱性はありません
攻撃者
特定・主張なし
ATT&CK

影響

業務停止
あり 第2報で「工場の稼働と生産活動に支障は発生していません」と公表。感染したサーバーとパソコンは使用停止、暗号化された一部サーバはバックアップから復旧済み。
データ
なし上限 —確定 —
現地サーバー及び一部のパソコンでデータが暗号化された。専門家の調査の結果、個人情報・機密情報の流出は未確認(第2報)。件数は非公表。
波及先
—
金銭影響
連結業績への影響は、第1報では軽微と見込み、第2報では影響なしとしている。
サプライチェーン
2025年9月26日時点で、当社及び他の国内外グループ会社への影響は確認されていないとしている。

時系列

  1. 2025-09-08 11:00
    タイダイヤゼブラ電機のネットワークシステムが第三者による不正アクセスを受けた(日本時間)。245
  2. 2025-09-08
    現地サーバー及び一部のパソコンがランサムウェアに感染し、データが暗号化されていることを確認した。45
  3. 2025-09-08
    発覚後直ちに、タイダイヤゼブラ電機を外部およびグループ間ネットワークから遮断し、感染した全サーバー・パソコンの使用を停止した。45
  4. 2025-09-09
    現地セキュリティ専門会社の協力のもと、被害状況の確認、原因究明、再発防止策の協議を開始し、同日システム監視体制を強化した。45
  5. 2025-09-26
    第1報を公表。タイダイヤゼブラ電機が不正アクセスを受け、ランサムウェアに感染したと発表した。452
  6. 2025-09-26
    第1報時点で、関係する顧客への個別報告、現地関係省庁への報告、警察等への相談を実施。連結業績への影響は軽微と見込んだ。45
  7. 2025-11-05
    第2報を公表した。136
  8. 2025-11-05
    第2報で、外部専門家の調査の結果、個人情報・機密情報の流出は未確認で、生産への影響はないと公表した。16
  9. 2025-11-05
    第2報で、暗号化された一部サーバはバックアップデータから復旧が完了し、連結業績への影響はないと公表した。16

技術解説

公表された攻撃の経過 事実

ダイヤモンドエレクトリックホールディングスは2025年9月26日、連結子会社Thai Diamond & Zebra Electric Co., Ltd.(タイダイヤゼブラ電機)がランサムウェア被害を受けたと公表した。日本時間9月8日午前11時頃にネットワークシステムへ第三者から不正アクセスがあり、現地サーバーと一部のパソコンが感染してデータが暗号化されたことが確認された。発覚後は直ちに、同社を外部およびグループ間ネットワークから遮断し、感染した全てのサーバーとパソコンの使用を停止した。9月9日からは現地セキュリティ専門会社の協力で被害状況の確認、原因究明、再発防止策の協議を始め、同日にシステム監視体制も強化した。侵入経路や攻撃者については、公表資料に記載がない。

第2報で示された被害の程度 事実

2025年11月5日の第2報で、同社は次の点を公表した。第一に、生産への影響は発生しておらず、工場の稼働と生産活動に支障はない。第二に、専門家による調査の結果、個人情報・機密情報の流出は未確認である。第三に、暗号化された一部サーバはバックアップデータを用いて復旧が完了している。連結業績への影響は、第1報では軽微と見込まれていたが、第2報では影響なしとされた。なお、暗号化の対象となったデータの件数や種類、感染した機器の台数は、参照できる公表資料には記載がない。流出は「確認されていない」という表現であり、第2報の時点の調査結果を示している。

グループ内への波及と関係先への対応 事実

第1報(9月26日)の時点で、同社は当社および国内外の他のグループ会社への影響は確認されていないとしていた。関係先への対応としては、タイダイヤゼブラ電機に関係する顧客への個別報告、現地の関係省庁への報告、警察等の関係機関への相談を実施したと記している。同社は被害の全容把握には時間を要する見込みとしつつ、詳細調査で確認された情報は速やかに開示するとも述べていた。その後、約6週間後の11月5日に第2報が公表されている。顧客に個別報告した内容や、報告先の現地省庁の名称は、公表資料には書かれていない。

被害が限定的にとどまった要因の見方 解釈

セキュリティ対策Labは、操業停止や長期のサービス中断に至らなかった最大の要因を、有効なバックアップと復旧手順(RTO/RPO)が機能したことと評価している。これは媒体の見解である。公表された事実から読み取れるのは、発覚後の速やかなネットワーク遮断と機器の使用停止、翌日からの専門会社による調査、バックアップからの復旧が、この順に行われたという点である。どの対応がどれだけ被害の抑制に寄与したかは、公表資料だけでは切り分けられない。また、流出が「未確認」であることは流出がなかったことの証明ではない。調査の範囲や方法の詳細も示されていないため、今後の続報があれば確認したい。

対応

封じ込め
発覚後直ちにタイダイヤゼブラ電機を外部およびグループ間ネットワークから遮断し、感染した全てのサーバー及びパソコンの使用を停止。9月9日から現地セキュリティ専門会社の協力で調査を開始し、同日システム監視体制を強化。暗号化された一部サーバはバックアップデータで復旧済み(第2報)。
公表の仕方
2025年9月26日に第1報、11月5日に第2報を公表。第1報では被害の全容把握に時間を要するとし、判明した情報は速やかに開示するとしていた。
当局対応
  • 現地の関係省庁へ報告
  • 警察等の関係機関へ相談

教訓と対策

教訓具体的な対策
感染を確認したら、被害拠点をすぐ切り離せる体制が被害の拡大を抑える。拠点ごとにWAN・VPN・グループ間接続を即時に遮断できる手順を用意し、遮断権限者を決めておく。ファイアウォールのルールやVPNトンネルを止める操作を手順書にして、年1回は実際に遮断する訓練を行う。
バックアップからの復旧が、操業継続と早期復旧の鍵になる。バックアップは本番ネットワークから分離し、書き換え不能なコピー(イミュータブル)やオフライン保管を併用する。四半期ごとに復旧テストを行い、システムごとにRTO/RPOを実測して記録する。
海外子会社も、本社と同水準の監視と対応体制の対象に入れておく。海外拠点のEDRとサーバーログをグループ共通のSIEMやSOCに集約する。現地の専門会社と事前に契約し、連絡先と初動手順を現地語と日本語で整備しておく。
流出の有無は調査に時間がかかるため、確認済みと未確認を分けて段階的に公表する。インシデント対応計画に、第1報の記載項目と続報の予定時期を定めておく。調査に必要なログ(認証、通信、ファイル操作)を一定期間保全する設定にして、流出有無を後から検証できるようにしておく。
侵入経路が不明のままでも、再発防止の検討は並行して進められるよう準備しておく。外部公開資産の棚卸し、VPNや管理画面への多要素認証、特権アカウントの見直しを定期作業にする。調査結果を待たずに実施できる共通対策を、あらかじめ一覧にしておく。

自組織などでの確認項目

  1. 海外拠点で感染が疑われたとき、誰の判断で、何分以内に、グループ間ネットワークから切り離せるか。実際に手順を試したことがあるか。
  2. 主要システムのバックアップは、本番環境から分離された場所にあるか。直近の復旧テストで、実測のRTO/RPOは目標を満たしていたか。
  3. 海外子会社のサーバーやパソコンのログは、本社側で確認できる状態か。現地の専門会社との連絡先と契約は用意されているか。

未解明点

  • 侵入経路や悪用された脆弱性の有無は、公表資料に記載がなく、現時点で不明である。
  • 攻撃者やグループの特定、金銭要求の有無は公表されていない。
  • 暗号化されたデータの件数や種類、感染した機器の台数は公表されていない。
  • 流出が「未確認」とされた調査の範囲や、再発防止策の具体的な内容は公表されていない。

出典

  1. 1
    セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2025-11-07報道本文確認済
  2. 2
  3. 3
  4. 4
    Diamond Electric Holdings Co., Ltd.2025-09-26公式本文確認済
  5. 5
    ダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社2025-09-26公式本文確認済
  6. 6
    Diamond Electric Holdings Co., Ltd.2025-11-05公式本文確認済