STNet「STクラウドサーバーサービス」専用ネットワークへの不正アクセス(担当者20,846名の個人情報漏えいの可能性)
公表日
STNetの「STクラウドサーバーサービス」の専用ネットワークが外部から不正アクセス使う権限のない人が、他人のIDやパスワード、システムの弱点を使って、サービスやサーバーに入り込むことです。日本では「不正アクセス禁止法」で禁止されている犯罪です。を受け、利用企業・団体の担当者最大20,846名の個人情報が漏えいした可能性があります。流出が確認された件数は発表されていません。
対象者は?
STクラウドサーバーサービスやサーバー構築サービスを利用する一部の企業・団体の担当者で、最大20,846名。漏えいの可能性がある情報は、会社名、氏名、メールアドレス、電話番号(一部)、生年月日(一部)です。このほか、企業・団体の顧客システムに関するID・パスワード等も漏えいした可能性があり、件数は発表されていません。クレジットカード情報が含まれるという発表は、確認できた範囲ではありません。
該当する担当者・顧客には、STNetから個別に連絡があるとされています。連絡が届いていない場合は、STNetのお知らせを確認し、問い合わせてください。
いますぐできること
- STクラウドサーバーサービスなどで構築しているシステムのパスワードを変更する。
- 全てのアカウントで強いパスワードと多要素認証(二段階認証)を設定する。
- 身に覚えのない電話やメールに注意し、不審な連絡には応じない。
何が起きたのか
2025年11月14日、STNetは専用ネットワークに接続するサーバーへの外部からの不正アクセス使う権限のない人が、他人のIDやパスワード、システムの弱点を使って、サービスやサーバーに入り込むことです。日本では「不正アクセス禁止法」で禁止されている犯罪です。に気づき、同日中にそのネットワークをインターネットから切り離しました。11月18日には、サーバーに保管されていたリモートアクセス用の設定ファイルが使われたことが分かり、その利用権限をすべて無効にしました。11月19日には、そのサーバーに企業・団体の担当者の個人情報が含まれていることが分かりました。11月20日には、二段階認証が未設定だった利用者の設定を同社が有効にしました。11月21日に第1報を公表しました。2026年1月21日には社内調査の完了を公表し、約44万ファイルを調べた結果、最大20,846名分の個人情報が漏えいした可能性があると報告しました。
なぜ起きたのか・なぜ広がったのか
STNetの説明では、第三者が専用ネットワークに不正アクセス使う権限のない人が、他人のIDやパスワード、システムの弱点を使って、サービスやサーバーに入り込むことです。日本では「不正アクセス禁止法」で禁止されている犯罪です。し、サーバーに保管されていたリモートアクセス用の設定ファイルを使って侵入したとされています。設定ファイルがどのように入手されたかは、まだ発表されていません。
いまの状況2026-01-21 時点
2026年1月21日時点で、STNetは社内調査を終えたとしています。現時点で本件が原因の二次被害(情報の不正利用など)は確認されていないと報告しています。今後はネットワーク分離、アクセス監査、認証強化などの対策を拡充する方針です。流出が確認された件数、侵入日、サービス停止の有無などは、まだ発表されていません。
企業として考えたいこと
もし御社のサーバーに保管されたリモートアクセス用の設定ファイルが盗まれたら、すべて無効にするまでに何時間かかり、顧客の担当者情報がどのサーバーにあるかをすぐ答えられますか。
技術的な要約
STNetは2025年11月14日、STクラウドサーバーサービスの構築・運用に係る専用ネットワークに接続するサーバーで外部からの不正アクセスを検知し、同日中に当該ネットワークをインターネットから遮断した。原因は、サーバーに格納されていたリモートアクセス用の設定ファイルが不正アクセスに利用されたこととされる。2025年11月21日に第1報を公表し、利用企業・団体の担当者の個人情報とシステムに関係する情報(ID・パスワード等)が漏えいした可能性を示した。2026年1月21日に社内調査完了を公表し、漏えいの可能性がある個人情報は担当者20,846名分(会社名、氏名、メールアドレス、一部の電話番号・生年月日)と報告された。顧客システムに関するID・パスワード等も漏えいの可能性があり、該当先に個別連絡している。現時点で本件に起因する二次被害は確認されていないとしている。
公開情報が限られている点について
攻撃の分類
- 侵入口
- 認証情報窃取・流用公表で確認第三者が専用ネットワークへ不正アクセスし、ネットワークに接続するサーバーに保管されていたリモートアクセス用の設定ファイルを利用して不正侵入した(STNet説明)。設定ファイルの入手経路は公表されていない。
- 脆弱性
- CVE 非公表不明脆弱性やCVEに関する公表はない。
- 攻撃者
- 特定・主張なし
- ATT&CK
影響
- 業務停止
- なし 専用ネットワークをインターネットから遮断したが、サービス停止の有無・範囲は公表資料に記載がない。
- データ
- おそれ上限 20,846確定 —人氏名メール電話生年月日その他漏えいの可能性がある個人情報は企業・団体の担当者20,846名分で、項目は会社名、氏名、メールアドレス、電話番号(一部)、生年月日(一部)。約44万ファイルを調査対象とした。顧客システムに関するID・パスワード等も漏えいの可能性があるが件数は不明で、形式(平文かハッシュか)も公表されていない。流出の確定は公表されていない。
- 波及先
- —
- 企業・団体の顧客システムに関する情報(ID・パスワード等)が漏えいの可能性があり、該当先に個別連絡
- 金銭影響
- —
- サプライチェーン
- STクラウドサーバーサービス等の利用企業・団体の担当者情報と、顧客システムに関するID・パスワード等が漏えいした可能性がある。該当先には個別に連絡している。
時系列
技術解説
判明している攻撃の経過 事実
STNetは2025年11月14日、STクラウドサーバーサービスの構築・運用に係る専用ネットワークに接続するサーバーで外部からの不正なアクセスを検知し、直ちにそのネットワークをインターネットから遮断して調査を始めた。11月18日には、サーバーに格納していたリモートアクセス用の設定ファイルを利用した不正アクセスがあったと判明し、漏えいの可能性がある設定ファイルの利用権限をすべて無効化した。11月19日、そのサーバーに企業・団体の担当者の個人情報などが含まれていると判明した。11月20日には、二段階認証が未有効だった利用者の設定をSTNet側で有効化した。11月21日に第1報を公表し、個人情報保護委員会、外部の専門機関、警察と連携して調査を進めるとした。
漏えいの可能性がある情報の範囲 事実
2026年1月21日の調査結果の報道によると、STNetは専用ネットワークに接続するファイルサーバー内の全ファイル(約44万ファイル)を対象に、個人情報やシステム情報の有無を調べた。漏えいの可能性がある個人情報は企業・団体の担当者20,846名分で、項目は会社名、氏名、メールアドレス、電話番号(一部)、生年月日(一部)である。企業・団体の顧客システムに関する情報(ID・パスワード等)にも漏えいの可能性があり、該当先には個別に連絡している。現時点で本件に起因する二次被害は確認されていないとされる。数字はいずれも「漏えいの可能性」の範囲であり、流出が確認された件数ではない。
設定ファイルが果たした役割(解釈) 解釈
公表された経路は、サーバーに保管されていたリモートアクセス用の設定ファイルが不正アクセスに利用された、というものである。ここから、設定ファイルが認証情報に近い役割を持ち、それ自体が侵入の手段になり得たと読み取れる。専用ネットワーク内のサーバーにこうした情報が置かれ、同じネットワーク上のファイルサーバーに顧客担当者の情報やシステム情報も保管されていたことが、影響範囲の広がりに関わった可能性がある。ただし設定ファイルの入手経路や、どの程度の権限で何ができたかは公表されておらず、ここでの読み取りは確定した因果ではない。同様の構成は多くの事業者にも当てはまり得る。
公表内容の見方(解釈) 解釈
検知から第1報までは7日、第1報から調査結果の公表までは約2か月である。第1報では件数を調査中としつつ、経過を日付ごとに示し、パスワード変更や不審な連絡への注意を利用者に求めている。調査結果では対象ファイル数と20,846名という件数が示され、範囲の把握が進んだことがうかがえる。一方、ID・パスワード等の件数や保存形式、侵入日、サービス停止の有無は、確認できた範囲では示されていない。「可能性」という表現が最終報でも続くため、流出の有無は外部からは判断できない。数字は上限として読むのが適切である。
対応
- 封じ込め
- 2025-11-14に専用ネットワークをインターネットから遮断。11-18に漏えいの可能性がある設定ファイルの利用権限をすべて無効化。11-20に二段階認証が未有効だった利用者の設定を同社側で一律に有効化。今後、ネットワーク分離・アクセス監査・認証強化等の多層防御を拡充する方針。
- 公表の仕方
- 2025-11-21に第1報を公表。2026-01-21に調査結果を公表し、20,846名分の個人情報漏えいの可能性、二次被害は未確認と報告。該当する担当者・顧客には個別に連絡。利用者にはシステムのパスワード変更、不審な電話・メールへの注意を依頼し、二次被害の可能性(なりすまし、詐欺、架空請求、フィッシング等)を示して注意喚起した。
- 当局対応
- 個人情報保護委員会
- 警察
教訓と対策
| 教訓 | 具体的な対策 |
|---|---|
| リモートアクセス用の設定ファイルは認証情報と同等に扱う必要がある。 | 設定ファイルやキーを一般サーバーのファイルシステムに平文で置かず、シークレット管理基盤(Vault等)に集約する。保管場所を棚卸しし、定期的にローテーションする。 |
| 漏えいの可能性がある認証情報は、利用権限を速やかに無効化できる必要がある。 | 証明書・トークン・設定ファイルごとに失効手順をRunbook化し、一括失効を演習で確認する。短い有効期限を設定して、失効しなくても自然に無効化される構成にする。 |
| 多要素認証は利用者任せにせず、既定で有効にする設計が被害を小さくする。 | テナント作成時にMFAを必須化し、未設定のアカウントを週次で検出するジョブを用意する。管理者側で強制有効化できる機能を事前に実装しておく。 |
| 顧客情報とシステム情報を同じファイルサーバーに置くと、一度の侵入で影響範囲が広がる。 | 運用ネットワークと顧客情報の保管先を分離し、アクセス経路を踏み台経由に限定する。ファイルサーバーへのアクセスログを取得し、大量読み出しの検知ルールを設定する。 |
| 漏えいの可能性の範囲は、全ファイルの走査で絞り込む必要がある。 | 個人情報や認証情報パターンを検出するスキャナをファイルサーバーに定期実行し、保管場所のインベントリを常に最新にしておく。インシデント時に調査対象を迅速に確定できるようにする。 |
自組織などでの確認項目
- 自組織のサーバー上に、リモートアクセス用の設定ファイルや鍵が平文で保管されていないか。保管場所と閲覧できる人の範囲を確認できるか。
- 漏えいした可能性のある認証情報を、1営業日以内にすべて無効化する手順があるか。実際に試したことがあるか。
- 顧客の担当者情報(氏名・メール・電話など)がどのサーバーに何件あるかを、すぐに答えられるか。運用用のネットワークと分離されているか。
- 顧客に提供するサービスで、多要素認証が既定で有効か。未設定の顧客を把握し、こちらから有効化できるか。
未解明点
- 不正アクセスに使われたリモートアクセス用設定ファイルの入手経路(どのように第三者の手に渡ったか)は公表されていない。
- 侵入が始まった日と、不正アクセスが続いた期間は公表されていない。
- 顧客システムに関するID・パスワード等の件数と、保存形式(平文かハッシュか)は公表されていない。
- 専用ネットワークの遮断により、サービスの停止や影響があったかどうかは、渡された資料には記載がない。
- 情報が実際に外部へ持ち出されたかどうかの確定は公表されていない。
出典
- 1セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2026-01-23報道本文確認済
- 2セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2025-11-25報道本文確認済
- 3ScanNetSecurity2025-12-15報道本文確認済
- 4ScanNetSecurity2026-02-09報道本文確認済
- 5株式会社STNet2025-11-21公式本文確認済