Integral Security Reportインテグラル セキュリティ レポート
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2026-r48c44a0fその他最終確認 2026-10-13 20:15

発明推進協会へのサポート詐欺(遠隔操作されたPCの調査で個人情報への不正アクセスは認められず)

公表日

一般社団法人発明推進協会
最終報その他

一般社団法人発明推進協会で2025年11月25日にサポート詐欺パソコンの画面に「ウイルスに感染しました」「この番号に電話してください」といった偽の警告を大音量で表示し、電話をかけさせて遠隔操作ソフトを入れさせたり、お金を払わせたりする詐欺です。企業が多額の被害を受けた例もあります。の被害があり、協会のPCが第三者に遠隔操作されました。外部の専門業者が調べた結果、個人情報等への不正アクセス使う権限のない人が、他人のIDやパスワード、システムの弱点を使って、サービスやサーバーに入り込むことです。日本では「不正アクセス禁止法」で禁止されている犯罪です。は認められず、情報が漏れた可能性は極めて低いとされました。

何が起きたのか

2025年11月25日、発明推進協会でサポート詐欺パソコンの画面に「ウイルスに感染しました」「この番号に電話してください」といった偽の警告を大音量で表示し、電話をかけさせて遠隔操作ソフトを入れさせたり、お金を払わせたりする詐欺です。企業が多額の被害を受けた例もあります。の被害が起き、悪意のある第三者に協会のPCが遠隔操作されました。協会は11月28日に個人情報保護法に基づく報告(速報)を、12月1日にプライバシーマーク制度に基づく報告(速報)を行い、12月8日に自らのWebサイトで被害を公表しました。12月9日には、個人情報を含む情報が見られたかどうかを確かめるため、外部の専門業者に調査(フォレンジック調査)を頼みました。12月23日には職員向けの注意喚起と情報セキュリティ研修を行いました。2026年1月22日に調査結果を受け取り、同じ日に確報を出しました。

なぜ起きたのか・なぜ広がったのか

PCが遠隔操作されるまでの経緯や原因は、まだ発表されていません。調査では個人情報等への不正アクセス使う権限のない人が、他人のIDやパスワード、システムの弱点を使って、サービスやサーバーに入り込むことです。日本では「不正アクセス禁止法」で禁止されている犯罪です。は認められず、被害が広がったとは発表されていません。

いまの状況2026-01-22 時点

2026年1月22日時点で、協会は調査結果を受けて個人情報保護法とプライバシーマーク制度に基づく確報を済ませています。今後は情報セキュリティに関する情報収集を続け、その結果を踏まえた研修を定期的に行うとしています。金銭被害の有無や補償については、まだ発表されていません。

企業として考えたいこと

社員のPCが遠隔操作されたと分かったとき、「電源は切らずにネットワークから外し、すぐ報告する」という最初の動きを全員が知っていて、その後の調査に必要なログが残る状態になっていますか。

技術的な要約

発明推進協会は、2025年11月25日に同協会でサポート詐欺被害が発生し、悪意のある第三者によりPCが遠隔操作されたと、2025年12月8日にWebサイトで公表した。同協会は個人情報を含む機密情報への不正アクセスの有無を確認するため、2025年12月9日に外部の専門業者へフォレンジック調査を依頼した。2026年1月22日に調査結果を受領した。結果は、個人情報等への不正アクセスは認められず、情報が不正取得または漏えいした可能性は極めて低いというものだった。同協会は同日、個人情報保護法およびプライバシーマーク制度に基づく確報を行った。今後は情報収集と、その結果を踏まえた研修を定期的に実施するとしている。

公開情報が限られている点について
具体的な事案の一次情報は、発明推進協会の調査結果公表(出典1)のみである。侵入経路、検知の経緯、遮断対応の詳細、金銭被害の有無は公表されていないため、不明として扱った。そのため、timeline は9件、sources は7件にとどまる。判定の「金銭被害の語」(⑥c)と core_days=60 は、facts からは裏づけられなかったため、反映していない。
侵入
2025-11-25
被害発生
2025-11-25
検知
—
第1報公表
2025-12-08
最新続報
2026-01-22
侵入 → 検知
—
侵入日が非公表
検知 → 公表
—
データ(上限)
—
確定 —
波及先
—

攻撃の分類

侵入口
不明
公表文では「サポート詐欺被害」「悪意のある第三者により遠隔操作が行われたPC」と記載されている。遠隔操作に至った具体的な経路や手順は、渡された出典に記載がない。
脆弱性
CVE 非公表不明
脆弱性や製品名に関する公表はない。
攻撃者
特定・主張なし
ATT&CK

影響

業務停止
なし 業務停止に関する公表はない。
データ
なし上限 —確定 —
フォレンジック調査の結果、個人情報等への不正アクセスは認められず、情報が不正取得または漏えいした可能性は極めて低いと確認された。件数の公表はない。
波及先
—
金銭影響
—
サプライチェーン
—

時系列

  1. 2025-11-25
    発明推進協会でサポート詐欺被害が発生し、悪意のある第三者によりPCが遠隔操作された。2
  2. 2025-11-28
    個人情報保護法に基づく報告(速報)を行った。2
  3. 2025-12-01
    プライバシーマーク制度に基づく報告(速報)を行った。2
  4. 2025-12-08
    同協会Webサイトで、サポート詐欺被害を公表した。2
  5. 2025-12-09
    外部の専門業者にフォレンジック調査を依頼した。2
  6. 2025-12-23
    社内注意喚起と、万一発生した場合の被害を最小化することなどを目的とした情報セキュリティ研修を実施した。2
  7. 2026-01-16
    個人情報保護法サイバーセキュリティ連絡会が「不正アクセス発生時のフォレンジック調査の有効活用に向けた着眼点」を公表した。この資料は、フォレンジック調査の関連資料として出典に含まれる。16
  8. 2026-01-22
    フォレンジック調査結果を受領し、個人情報保護法およびプライバシーマーク制度に基づく報告(確報)を行った。個人情報等への不正アクセスは認められなかった。2
  9. 2026-01-28
    個人情報保護委員会が「不正アクセス発生時のフォレンジック調査の有効活用に向けた着眼点」を公表した。この資料は、フォレンジック調査の関連資料として出典に含まれる。3

技術解説

協会が公表した経過 事実

発明推進協会の2026年1月22日付の公表によると、2025年11月25日に同協会でサポート詐欺被害が発生し、悪意のある第三者がPCを遠隔操作した。同協会は11月28日に個人情報保護法に基づく報告(速報)を、12月1日にプライバシーマーク制度に基づく報告(速報)を行った。12月8日には同協会Webサイトで被害を公表した。12月9日、個人情報を含む機密情報への不正アクセスの有無を確かめるため、外部の専門業者にフォレンジック調査を依頼した。12月23日には、社内への注意喚起と、万一発生した場合の被害を最小化することなどを目的とした情報セキュリティ研修を実施した。2026年1月22日に調査結果を受け取り、同じ日にその結果を踏まえて、個人情報保護法とプライバシーマーク制度に基づく報告(確報)を行った。

調査結果と公表文に書かれていないこと 事実

調査の対象は、悪意のある第三者が遠隔操作したPCである。目的は、個人情報を含む機密情報への不正アクセスの有無を確かめることだった。結果は「個人情報等への不正アクセスは認められず、情報が不正取得又は漏えいした可能性は極めて低い」というもので、流出の確定件数も、おそれのある件数の上限も示されていない。同協会は今後、情報セキュリティに関する情報収集を続け、その結果を踏まえた研修を定期的に実施するとしている。一方、公表文には次の点が書かれていない。遠隔操作に至った経路、使われたソフトウェア、遠隔操作が続いた時間、検知と遮断の経緯、金銭被害の有無、当該PCで扱っていた個人情報の種類と件数。

当局資料「フォレンジック調査の有効活用に向けた着眼点」 事実

個人情報保護法サイバーセキュリティ連絡会は、2026年1月16日に「不正アクセス発生時のフォレンジック調査の有効活用に向けた着眼点」を公表した。ScanNetSecurityは、個人情報保護委員会が1月28日に公表したと報じている。資料は、①平時からの備え、②有事対応の注意点、③フォレンジック調査の活用、の3つに整理されている。平時の備えには、台帳とネットワーク構成図の作成、ログの少なくとも1年程度の保管、対応フローの整理が挙がっている。有事には、影響が及んだ可能性のある機器を速やかにネットワークから隔離する(有線・無線の切断)。調査予定の機器では、電源オフ、再起動、ウイルススキャン、初期化、ソフトウェア更新を禁止事項としている。また「封じ込め対応」と「フォレンジック調査」は区別して認識すべきだとし、調査結果については前提、根拠、再発防止策の妥当性を確認するよう求めている。この資料は本事案のために作られたものではない。

速報を先に出し、調査後に確報を出した流れ 解釈

発生から3日後に個人情報保護法の速報を、6日後にプライバシーマークの速報を出している。漏えいの有無が分かる前に、「おそれ」の段階で報告したと読める。当局は、発覚したらまず速やかに報告するよう求めており、この流れはそれに沿っている。そのうえで外部の調査で根拠をそろえ、確報で「不正アクセスは認められず」と締めくくった。結論を急がずに速報と確報を分けた運び方は、ほかの組織にも参考になる。ただし、調査を依頼したのは発生から14日後である。報告期限との関係や、依頼の時期を決めた理由は公表されていない。また「可能性は極めて低い」という結論が、どの範囲のログや痕跡に基づくのかも示されていない。結論の確からしさを外から評価するのは難しい。

サポート詐欺型の事案と調査の前提 解釈

本件はサポート詐欺をきっかけとする遠隔操作である。脆弱性の悪用ではなく、利用者の操作を通じて正規の遠隔操作の仕組みが使われた可能性がある。ただし協会はこの経路を公表しておらず、推測の域を出ない。こうした事案では、遠隔操作中に何を見られ、何を持ち出されたかを判断するために、端末の状態とログがどれだけ残っているかが重要になる。当局資料は、電源オフ、再起動、ウイルススキャン、初期化を避けるよう求めている。しかし、詐欺の画面に気づいた利用者がとっさにこれらの操作をする場面は想像しやすい。本件で発生から調査までの間に端末がどう保全されていたかは公表されていない。それでも、一般の職員が初めに何をするかで調査の精度が変わりうる点は、ほかの組織にも当てはまる。

対応

封じ込め
—
公表の仕方
2025年12月8日に同協会Webサイトで被害を公表した。2026年1月22日付で、フォレンジック調査結果(個人情報等への不正アクセスは認められず、漏えいの可能性は極めて低い)を公表した。今後は情報セキュリティに関する情報収集を続け、その結果を踏まえた研修を定期的に実施するとしている。
当局対応
  • 個人情報保護法に基づく報告(速報:2025-11-28、確報:2026-01-22)
  • プライバシーマーク制度に基づく報告(速報:2025-12-01、確報:2026-01-22)

教訓と対策

教訓具体的な対策
遠隔操作された疑いがある端末は、まずネットワークから外し、電源は切らない。初動手順書と端末に貼る掲示物に、次の3点を明記する。LANケーブルを抜く。Wi-Fiをオフにする(有線・無線の両方を切る)。電源オフ、再起動、ウイルススキャン、初期化、OSやソフトの更新はしない。ヘルプデスクへの連絡先も載せる。
被害の拡大を止める「封じ込め」と、原因と範囲を調べる「フォレンジック調査」は、別の作業として扱う。インシデント対応フローに封じ込めと証拠保全・調査依頼を別々の手順として書き、それぞれの担当者と判断基準を決める。調査会社は事前に選んでおき、連絡先と契約形態も決めておく。
調査の結論は、残っているログの範囲で決まる。端末のEDRやOSのイベントログ、プロキシ、DNS、認証基盤のログを、少なくとも1年程度保管する。保管先は端末の外(SIEMやログサーバ)にする。遠隔操作ツールの起動・接続の記録が残るかも確認する。
漏えいの可能性が低いという結論にも、根拠と前提がある。調査会社への依頼書と報告書で、次の項目を必ず受け取るようにする。調査した対象とその期間、使ったデータ源、結論の根拠となった痕跡、調べられなかった範囲、原因に対応した再発防止策。
漏えいが確定する前でも、「おそれ」の段階で速報を出す。対応フローに報告先と期限を先に書いておく。報告先は、個人情報保護委員会(業種によっては権限委任先の省庁)とプライバシーマークの審査機関などである。期限は、速報は速やかに、不正な目的のおそれがある事案の確報は発覚日から60日以内とする。
サポート詐欺は利用者の行動が入口になるため、研修は1回で終わらせず続ける。偽の警告画面と偽の電話窓口を想定した机上演習を、定期的に実施する。IPAが公開している中小企業向けの机上演習教材を使い、「電話しない、遠隔操作ソフトを入れない、すぐ報告する」を全職員で練習する。

自組織などでの確認項目

  1. 職員の画面に偽の警告が出たり、遠隔操作されたと気づいたりしたとき、「ネットワークは切るが電源は切らない」という初動を全員が知っているか。手順書や掲示で確認できるか。
  2. 業務PCに許可されていない遠隔操作ソフトをインストール・実行できない設定になっているか。また実行された場合に、その記録がログとして1年程度残るか。
  3. 不正アクセスの「おそれ」の段階で、個人情報保護委員会(または権限委任先の省庁)とプライバシーマークの審査機関への速報を誰が判断して出すか、決まっているか。
  4. フォレンジック調査を頼める専門業者を事前に決めているか。その報告書で調査範囲や結論の根拠まで受け取る取り決めがあるか。

未解明点

  • 遠隔操作に至った具体的な経路と、使われた遠隔操作ソフトウェアは何か。
  • 遠隔操作が続いた時間、異常に気づいた経緯、遮断の方法とその時刻。
  • 金銭被害(振り込みなど)はあったか。
  • 遠隔操作されたPCで扱っていた個人情報の種類と件数。
  • フォレンジック調査の範囲(対象期間・データ源)と、「漏えいの可能性は極めて低い」と判断した根拠。
  • 発生(11月25日)から調査依頼(12月9日)までの間、当該PCはどう保全されていたか。

出典

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
    個人情報保護委員会2026-10-09当局本文確認済
  6. 6
    個人情報保護委員会当局本文確認済
  7. 7
    個人情報保護委員会当局本文確認済