熊本県内4市町の地域農業経営基盤強化促進計画PDFでの個人名の非表示処理不備(農業者名が表示可能な状態で公開)
公表日
熊本県の天草市、菊池市、上天草市、菊陽町は2025年10月17日、ホームページのPDFで見えないようにしていた農業者の個人名が、コピー&ペーストで表示できる状態だったと発表しました。対象の人数はまだ発表されていません。
対象者は?
4市町が公開していた「地域農業経営基盤強化促進計画」のPDFに載っていた農業者の個人名が対象のおそれがあります。名前以外の情報が含まれていたかどうかは、まだ発表されていません。
対象かどうかを調べる方法は、まだ発表されていません。各市町のお知らせをご確認ください。
いますぐできること
- お住まいの市町や関係する市町のホームページで、今回の件についてのお知らせを確認する。
- 心当たりのない連絡を受けたときは、すぐに応じず、市町の窓口など公式の連絡先で確かめる。
何が起きたのか
天草市、菊池市、上天草市、菊陽町は2025年10月17日、ホームページに載せていた地域農業経営基盤強化促進計画のPDFについて、見えないようにしていた個人名の部分が、コピー&ペーストなどの操作で表示できる状態だったと発表しました。天草市の説明では、農業者名を白い文字にしてからPDFに変換して公表していたため、コピーして貼り付けると名前の文字が取り出せる状態でした。
なぜ起きたのか・なぜ広がったのか
天草市の説明では、名前を白い文字にしたままPDFに変換していたため、見た目では見えなくても文字のデータが残っていました。ほかの3市町の詳しい経緯は、まだ発表されていません。
いまの状況2025-10-30 時点続報待ち
対象の人数、実際に見られたり取得されたりしたかどうか、掲載の停止や差し替え、再発防止策は、まだ発表されていません。続報を待つ状況です。
企業として考えたいこと
自分の会社がホームページに載せているPDFやファイルから、見えないようにしたつもりの個人名や連絡先を、コピーや文字抽出で取り出せないか、確認できていますか。
技術的な要約
天草市、菊池市、上天草市と菊陽町は2025年10月17日、ホームページに掲載していた「地域農業経営基盤強化促進計画」のPDFについて、非表示処理していた個人名部分をコピー&ペーストなどの操作で表示できる状態で公開していたと発表した。天草市の説明では、農業振興課が農業者名を白文字にしたものをPDFに変換して公表していたため、コピー&ペーストで個人名の文字データが取得できる状態だった。外部からの攻撃ではなく、公開時の非表示処理の不備による事案である。対象件数や閲覧・取得の有無、その後の対応は、提供された情報からは確認できない。
公開情報が限られている点について
攻撃の分類
- 侵入口
- 不明報道・研究者外部からの侵入ではなく、公開PDFの非表示処理の不備。農業者名を白文字にしたものをPDFに変換して公表していたため、コピー&ペーストで個人名の文字データが取得できる状態だった(報道)。
- 脆弱性
- 判明している脆弱性はありません
- 攻撃者
- 特定・主張なし
- ATT&CK
- —
影響
- 業務停止
- なし
- データ
- おそれ上限 —確定 —氏名農業者の個人名が漏えいした可能性(報道見出しは「漏えいか」)。件数は提供された情報にない。
- 波及先
- —
- 金銭影響
- —
- サプライチェーン
- —
時系列
技術解説
公表された内容(確認できる範囲) 事実
天草市、菊池市、上天草市、菊陽町は2025年10月17日、ホームページに掲載していた「地域農業経営基盤強化促進計画」のPDFについて、非表示処理していた個人名部分をコピー&ペーストなどの操作で表示できる状態で公開していたと発表した。天草市は同日、経済部農業振興課での個人情報の不適切な取り扱いとして発表した。同市の説明では、地域計画のPDFデータについて農業者名を白文字にしたものをPDFに変換して公表していたため、コピー&ペーストの操作をすると個人名の文字データが取得できる状態となっていた。
仕組みの整理:見た目の非表示と情報の削除の違い 解釈
白文字にする方法は、画面上では名前が見えなくなるものの、文字データそのものはPDFの中に残る。そのため、閲覧ソフトで範囲選択してコピーしたり、テキスト抽出ツールを使ったりすれば、名前を取り出せる可能性がある。黒塗りや白塗りのように「上から隠す」処理と、「元の文字を消す」処理は別物であり、前者だけでは公開物から個人情報が除かれたことにならない。これは一般的なPDFの性質に基づく整理であり、本件で実際にどの方法で取得できたかは、提供された情報からは分からない。
複数の市町に及んだ背景についての見方 解釈
本件は4市町が同じ種類の文書で同時に発表している。地域計画は制度に基づいて各市町が作成・公表する文書であり、作成の手順や使う道具が似ていた可能性はある。ただし、4市町が同じ手順や同じ業者を使っていたかどうかは、提供された情報には書かれていない。また、天草市以外の3市町について、どの課がどのような経緯で処理したかも分からない。したがって、共通の原因があったと断定はできず、あくまで可能性の一つとして受け止める必要がある。
公表の評価と、現時点で判断できないこと 解釈
4市町がそろって公表し、天草市が原因(白文字でのPDF変換)まで説明している点は、利用者が状況を理解する助けになる。一方で、対象となる農業者の人数、実際に閲覧・取得された形跡の有無、掲載の停止や差し替えの時期、本人への連絡、再発防止策は、提供された情報に含まれていない。これらが未公表なのか、単に今回の資料に載っていないだけなのかも区別できないため、対応の十分さについて評価することは控え、続報を待つ段階と考えるのが妥当である。
対応
- 封じ込め
- —
- 公表の仕方
- 2025年10月17日に天草市、菊池市、上天草市、菊陽町がそれぞれ発表した。
- 当局対応
- —
教訓と対策
| 教訓 | 具体的な対策 |
|---|---|
| 「見えなくする」処理は、情報を消したことにならない | PDFの個人情報は白文字・黒塗り図形ではなく、墨消し(リダクション)機能で元のテキストごと削除する。または該当部分を画像化して再出力する。手順書に「文字色変更・図形での被覆は不可」と明記する。 |
| 公開前にファイルの中身を機械的に確認する | 公開直前に pdftotext などでテキストを抽出し、氏名リストや住所パターンと照合して一致があれば公開を止める。確認は担当者の目視だけにせず、公開フローに組み込む。 |
| 公開用ファイルは、個人情報を含まない元データから作る | 個人名の列を除いた公開用データを別に用意し、そこからPDFを出力する。非表示処理を最終工程に置かず、元データ側で個人名を持ち込まない構成にする。 |
| 誤公開が分かったときの差し替えと痕跡の確認を決めておく | 掲載停止・差し替えの担当と期限を事前に定める。旧ファイルのURL、サーバ上の旧版、検索エンジンのキャッシュを確認する手順を用意し、アクセスログから取得状況を調べられるよう保存期間を確認する。 |
| 同種文書を扱う部署で手順と点検結果を共有する | 公開中のPDFを棚卸しし、テキスト抽出で個人名が取れるものがないか一括点検する。結果と是正手順を関係部署・関係団体に共有する。 |
自組織などでの確認項目
- 自組織のホームページに掲載しているPDFから、テキスト抽出ツールで個人名や連絡先を取り出せるものがないか、一覧で点検できているか。
- 個人情報を含む資料を公開するとき、「非表示処理の方法」を定めた手順書があるか。担当者が変わっても同じ方法で実施されているか。
- 誤って個人情報を公開した場合に、掲載停止、旧版の確認、アクセスログの確認、対象者への連絡を誰がいつまでに行うか、決まっているか。
未解明点
- 対象となった農業者の人数と、4市町それぞれの内訳。
- 公開されていたPDFが実際に閲覧・取得された形跡があるかどうか。
- 菊池市、上天草市、菊陽町での具体的な処理方法と、PDFが掲載されていた期間。
- 掲載の停止・差し替えの時期、本人への連絡、再発防止策の内容。
出典
- 1熊本日日新聞社2025-10-17報道本文確認済
- 2ScanNetSecurity2025-10-30報道本文確認済