熊谷市 国勢調査指導員のメール誤送信(世帯主の氏名・住所175件)
公表日
埼玉県熊谷市の国勢調査指導員(市職員)が、調査対象者の名簿を誤ったメールアドレスに送りました。世帯主と思われる方の氏名と住所175件が漏れました。
対象者は?
令和7年国勢調査で、この名簿に載っていた世帯主と思われる方が対象です。漏れた情報は氏名と住所で、公表資料にはそれ以外の項目は挙げられていません。件数は175件で、公表された件数と漏えいした件数は同じです。
熊谷市が対象世帯を戸別訪問し、謝罪と説明を行っています。公表資料の範囲では、問い合わせ窓口は示されていません。
いますぐできること
- 対象の世帯の方は、熊谷市の職員が訪問したときに、説明を聞いて気になることを質問してください。
- 心当たりのない郵便や電話、メールが届いたときは、すぐに応じず、家族や身近な窓口に相談してください。
何が起きたのか
2025年10月21日の午後4時20分、熊谷市の国勢調査指導員が、調査票の郵送での提出状況を調査員に伝えるため、調査対象者の名簿のPDFを、仕事用のパソコンから自分の携帯端末へメールで送りました。しかし携帯端末にメールが届かず、送信履歴を見たところ、誤ったメールアドレスに送っていたことが分かりました。10月22日の夕方に、熊谷市から埼玉県へ電話で連絡があり、県は10月28日に発表しました。報道によると、熊谷市も10月30日に発表しました。
なぜ起きたのか・なぜ広がったのか
公表された資料には、誤ったアドレスに送ってしまったことが書かれています。この資料の範囲では、外部からの侵入ではありません。なぜ誤ったアドレスを入力したのかなど、細かい原因は公表されていません。
いまの状況2025-10-30 時点続報待ち
2025年10月30日の時点で、本事案による個人情報の不正使用などの事実は、現在のところ確認されていません。熊谷市は対象世帯を戸別訪問して、謝罪と説明を行っています。埼玉県は10月24日付けで、全市町村に、個人情報を含む書類などを適切に管理するよう通知しました。熊谷市の再発防止策は、まだ発表されていません。
企業として考えたいこと
自分の会社で、顧客や従業員の名簿をメールで送るとき、宛先の間違いに気づける仕組みや、間違えたときに取り消せる仕組みはあるでしょうか。
技術的な要約
2025年10月21日午後4時20分、熊谷市職員である令和7年国勢調査指導員が、調査票の郵送提出状況を調査員と共有するため、自ら整理した調査対象者の名簿(PDF)を業務用パソコンから自身所有の携帯端末へメール送信したが、誤ったメールアドレスに送信していたことが判明した。漏えいした情報は世帯主と思われる方の氏名及び住所175件である。10月22日夕方に熊谷市から県へ電話で一報が入り、埼玉県は10月28日に発表した。本事案による個人情報の不正使用等の事実は現在のところ確認されていない。熊谷市は対象世帯を戸別訪問し、謝罪及び説明を実施中である。
攻撃の分類
- 侵入口
- 不明公表で確認外部からの侵入ではなく、市職員である国勢調査指導員が名簿を電子メールで送信する際に誤ったメールアドレスへ送信した誤送信事案。
- 脆弱性
- 判明している脆弱性はありません
- 攻撃者
- 特定・主張なし
- ATT&CK
- —
影響
- 業務停止
- なし 公表に業務停止の記載はない。
- データ
- 確定上限 175確定 175件氏名住所世帯主と思われる方の氏名及び住所(175件)。不正使用等の事実は現在のところ確認されていない。
- 波及先
- —
- 金銭影響
- —
- サプライチェーン
- —
時系列
- 2025-10-21 16:20
- 2025-10-21
- 2025-10-22
- 2025-10-24
- 2025-10-28
- 2025-10-30熊谷市が令和7年国勢調査指導員のメール誤送信による個人情報漏えいについて発表した(報道ベース)。1
技術解説
事案の経緯 事実
2025年10月21日午後4時20分、熊谷市職員である令和7年国勢調査指導員が、郵送による調査票の提出状況を担当地区の調査員と共有するため、自ら整理した調査対象者の名簿(PDFファイル)を、通常業務で使用しているパソコンから自身が所有する携帯端末へメール送信した。携帯端末にメールが届いていなかったため送信履歴を確認したところ、誤ったメールアドレスに送信していたことが判明した。10月22日夕方に熊谷市から埼玉県へ電話で一報が入り、埼玉県は10月28日に報道発表を行った。報道によれば、熊谷市は10月30日に発表した。
漏えいした情報と公表された対応 事実
漏えいした情報は、世帯主と思われる方の氏名及び住所175件である。本事案による個人情報の不正使用等の事実は、現在のところ確認されていない。熊谷市は、漏えいした情報に係る対象世帯を戸別訪問し、謝罪及び説明を実施中であり、10月28日に報道発表を行ったと埼玉県の発表には記されている。埼玉県は2025年10月24日付けで、全市町村に対し、個人情報を含む書類等の適切な管理の徹底について通知した。以上の内容は、埼玉県が公表したHTML版とPDF版の資料に同じ記載がある。
誤送信が起きた構造の読み取り 解釈
公表内容から読み取れる範囲では、名簿のPDFを業務用パソコンから私物の携帯端末へ電子メールで送るという作業手順が、宛先の入力ミスをそのまま個人情報の外部送信につなげる経路になったと考えられる。共有の目的は調査員への提出状況の連絡であり、名簿の全体をそのまま添付する形が目的に対して広すぎた可能性もある。ただし、私物端末へ送る手順が市の規程でどう扱われていたか、宛先が手入力か自動補完か、誤送信先がどこだったかは公表されていない。したがって、ここでの記述は推測であり、市の運用の評価を意味しない。
対応
- 封じ込め
- 熊谷市は漏えいした情報に係る対象世帯を戸別訪問し、謝罪及び説明を実施中。埼玉県は10月24日付けで全市町村に個人情報を含む書類等の適切な管理の徹底を通知した。
- 公表の仕方
- 2025年10月28日に埼玉県が報道発表。報道によれば熊谷市は10月30日に発表した。
- 当局対応
- —
教訓と対策
| 教訓 | 具体的な対策 |
|---|---|
| 個人情報を含む名簿を、私物端末へメールで送る運用そのものがリスクになる。 | 業務PCから外部ドメイン(私物のアドレスや携帯キャリアのアドレスなど)への送信を、メールゲートウェイやDLPで警告・保留・禁止にする。共有が必要な場合は、アクセス制御付きの庁内ファイル共有を使う。 |
| 宛先の入力ミスは、人の注意だけでは防ぎきれない。 | 送信前に宛先ドメインを確認する画面を出す。外部宛ての添付付きメールは一定時間保留して取り消せるようにする。宛先の自動補完は、外部アドレスについては無効にするか、候補を許可リスト制にする。 |
| 添付ファイルが、共有の目的に対して多くの情報を含んでいた可能性がある。 | 調査員への連絡に必要な項目だけを抽出した資料を作る手順を定める。氏名・住所を含む名簿を添付する場合は、パスワード付きZIPではなく、閲覧期限付きの共有リンクを使い、パスワードは別経路で伝える。 |
| 誤送信の発見から公表までの手順を、あらかじめ決めておくことが重要である。 | 誤送信を知った時点の報告先、送信先への削除依頼、対象者への連絡、公表の判断基準を、インシデント対応手順書に書き込む。年に一度は、誤送信を想定した机上訓練で手順を確認する。 |
| 短期間に臨時で加わる担当者には、情報の取り扱いルールが十分に届きにくい。 | 統計調査などの臨時業務の開始前に、使ってよい端末・経路・保管場所を一枚にまとめて配り、確認の記録を残す。私物端末の利用可否は、業務開始前に明示する。 |
自組織などでの確認項目
- 自組織では、個人情報を含むファイルを私物の端末やアドレスに送ることが、規程でどう扱われているか。実際の運用は規程どおりになっているか。
- 自組織のメール環境で、外部ドメイン宛ての送信に、警告・保留・取り消しの仕組みがあるか。宛先の自動補完は外部アドレスにも働いているか。
- 誤送信に気づいた担当者が、誰に・いつまでに・どの手段で報告するか。その手順を、臨時の担当者を含め全員が説明できるか。
- 自組織で名簿を共有するときに、連絡の目的に必要な項目だけに絞る手順があるか。
未解明点
- 誤送信の宛先はどのようなアドレスだったのか。受信した側からの削除確認が取れたかどうかは、公表資料に記載がない。
- 私物端末へ名簿を送ることは、熊谷市の規程や国勢調査の事務手順で認められていたのか。
- 再発防止策として、熊谷市がどのような措置を取るかは、確認できた公表資料にない。
- 対象世帯への訪問説明が完了したかどうかは、まだ発表されていない。
出典
- 1ScanNetSecurity2025-11-14報道本文確認済
- 2埼玉県2025-10-28公式本文確認済
- 3埼玉県 総務部 統計課2025-10-28公式本文確認済