東京都都市整備局の受託者(吉本興業)によるスタンプラリー当選ノベルティの誤配送(最大94名の氏名漏えい)
公表日
東京都都市整備局が委託した吉本興業のスタンプラリー当選ノベルティが、他の当選者の氏名で届いた。氏名が漏れたのは最大94名。
対象者は?
スタンプラリーのノベルティ当選者のうち、氏名が他の人の荷物に使われた最大94名。公表されている漏えい内容は氏名です。二次被害の報告は、現時点でないとされています。
都は対象の方へ電話またはEメールで説明と謝罪を行ったとしています。連絡の有無を確認し、不明な点は東京都の発表をご覧ください。
いますぐできること
- 当選者で、宛名が自分の名前と違う荷物が届いたときは、東京都へ連絡する。
- 都からの電話やEメールの案内がないか確認する。
何が起きたのか
東京型銭湯のスタンプラリーの当選ノベルティを、都から委託を受けた吉本興業が発送しました。3月30日に発送手続きが始まり、4月1日の正午ごろ、届いた荷物の宛名が自分の名前と違うと当選者が東京都に連絡しました。それで、他の当選者の氏名で荷物が送られていたことが分かりました。都は4月2日に発表しました。
なぜ起きたのか・なぜ広がったのか
都の発表では、発送先リストを作るときに氏名と住所の行がずれていたのに、再確認されないまま発送手続きが進んだことが原因とされています。
いまの状況2026-04-17 時点
2026年4月17日時点で、都は最大94名に電話またはEメールで説明と謝罪を行い、二次被害等の報告は受けていないとしています。吉本興業には厳重注意を行い、再点検やダブルチェック、担当者への教育指導を徹底するよう指導するとしています。
企業として考えたいこと
自社で宛名や発送先のリストを作るとき、元データと突き合わせて、作った本人以外が確認する手順がありますか。
技術的な要約
東京都都市整備局が東京型銭湯のスタンプラリーイベントの運営等を含むPR業務を委託していた吉本興業株式会社が、当選ノベルティの配送時に氏名を確認せず手配したため、他の当選者の氏名で荷物が配送された。2026年3月30日に配送手続きが開始され、4月1日正午頃に当選者から東京都へ宛名が異なるとの連絡があり判明した。漏えいしたのは当選者のうち最大94名分の氏名である。原因は発送先リスト作成時に氏名と住所の行に段ずれ等が生じていたが、再確認されずに発送されたこととされる。東京都は4月2日に発表し、対象者へ電話またはEメールで説明・謝罪を行い、現時点で二次被害等の報告は受けていないとした。
公開情報が限られている点について
攻撃の分類
- 侵入口
- 不明公表で確認外部からの侵入ではなく、受託者がノベルティ発送先リスト作成時に氏名と住所の行に段ずれ等が生じたまま再確認せず発送手続きを行った人為的ミス。侵入口は該当しない。
- 脆弱性
- 判明している脆弱性はありません
- 攻撃者
- 特定・主張なし
- ATT&CK
- —
影響
- 業務停止
- なし
- データ
- おそれ上限 94確定 —人氏名ノベルティ当選者のうち最大94名分の氏名。他当選者の氏名でノベルティが配送された。二次被害等の報告は現時点でなし。
- 波及先
- —
- 金銭影響
- —
- サプライチェーン
- 東京都都市整備局が委託したPR業務の受託者である吉本興業株式会社での誤配送。委託先での取扱いミスによる漏えい。
時系列
技術解説
何が起きたのか(公表された事実) 事実
東京都都市整備局が東京型銭湯のスタンプラリーイベントの運営等を含むPR業務を委託していた吉本興業株式会社が、当選ノベルティを当選者へ送る際に、氏名を確認せずに配送手配した。その結果、他の当選者の氏名でノベルティが配送された。漏えいした内容は、当選者のうち最大94名分の氏名である。2026年3月30日に受託者が配送手続きを開始し、4月1日正午頃に当選者から東京都へ、東京型銭湯PR事務局より届いた荷物の宛名が自身の氏名と異なるとの確認があり、事故が判明した。東京都は4月2日に受託者での個人情報漏えいとして発表した。
原因と対応(公表された事実) 事実
都の発表が挙げる発生原因は、ノベルティ発送先リストを作成する際に、発送先の氏名と住所の行に段ずれ等が生じていたが、再確認がされずに発送手続きがなされたことである。都は最大94名に電話またはEメールで経緯を説明して謝罪し、現時点で二次被害等の報告は受けていないとしている。また吉本興業株式会社に厳重注意を行い、個人情報の取扱いに関する再点検、業務遂行におけるダブルチェック、担当者への教育指導を徹底するよう指導するとした。都市整備局内でも改めて注意喚起を行い、個人情報の適切な管理を徹底するとしている。
誤配送が起きる構造(解釈) 解釈
公表された原因は、リスト作成段階で生じた行のずれが、発送前に確認されなかったという点にある。ここからは、宛名と住所のような対応関係をもつ情報を表計算などで扱う作業では、並びのずれが起きうること、そしてずれを見つける確認工程が手順に組み込まれているかが結果を左右することがうかがえる。今回の影響範囲は氏名で、住所は届け先として使われたとみられるが、住所が他者に渡ったかは公表されていない。外部からの攻撃ではなく、日常の発送業務に伴う人為的なミスとして整理できる。
委託先での取扱いと公表の見方(解釈) 解釈
今回は行政が委託した事業の運営を受託者が担い、受託者側の作業で漏えいが生じた。発見の契機は当選者から都への連絡であり、発送前や発送直後の社内点検では把握されなかったとみられる。公表は判明の翌日で、原因、人数の上限、対象者への連絡、再発防止の方針が一つの発表にまとまっている点は分かりやすい。一方、人数は最大94名とされ、実際に他者の氏名で届いた件数の内訳は示されていない。数字は上限として読む必要がある。
対応
- 封じ込め
- 最大94名に電話またはEメールで経緯を説明し謝罪。受託者に厳重注意を行い、個人情報取扱いの再点検、ダブルチェック、担当者への教育指導の徹底を指導。都市整備局内でも注意喚起を実施。
- 公表の仕方
- 東京都都市整備局が2026年4月2日に「受託者における個人情報の漏えいについて」として発表。事故判明は4月1日正午頃。
- 当局対応
- —
教訓と対策
| 教訓 | 具体的な対策 |
|---|---|
| 宛名と住所のように対になる情報は、並びのずれが起きうる。 | 発送先リストの作成後に、氏名・住所・電話などの列を元データのキー(応募ID等)で突合し、不一致を自動検出するチェックをかける。手作業の並べ替えを避け、キー付きの結合処理に統一する。 |
| 発送前の再確認を個人の注意に頼らない。 | 発送手続きの前にダブルチェックの工程を手順書へ明記し、作成者と別の担当者が承認した記録を残さないと発送できない運用にする。 |
| 一括発送では、全件発送の前に少数で試す。 | 本発送の前に数件の試験発送や宛名ラベルのサンプル照合を行い、元の応募情報と宛名が一致するかを確認してから全件を処理する。 |
| 委託先での個人情報の取扱いも、委託元の管理対象である。 | 委託契約や仕様書に、発送作業の確認手順、事故時の連絡期限、再発防止の報告を盛り込む。委託先の作業手順を事前に確認し、定期的に点検結果の報告を受ける。 |
| 受取人からの指摘を早く拾える窓口が、被害の拡大を抑える。 | 宛名違いなどの連絡を受けた担当者が、即座に事故対応の責任者へ報告し、同じ発送ロットの全件を確認する手順を用意しておく。 |
自組織などでの確認項目
- 自組織で宛名や発送先のリストを作るとき、元データと突合して並びのずれを検出する工程はありますか。作成者以外の人が確認していますか。
- 委託先が発送や郵送を行う業務について、事故が起きた場合の連絡期限や報告内容を契約で定めていますか。
- 宛名違いの荷物が届いたという連絡を、顧客窓口が受けた場合、誰にどの順で伝え、同じ発送分の全件確認につなげる手順がありますか。
未解明点
- 実際に他者の氏名で届いた件数の確定数は示されていない(公表は最大94名)。住所など氏名以外の情報が他者に伝わったかも、公表からは分からない。
- 受託者が再発防止として具体的にどのような確認手順を導入するかは、発表時点では示されていない。
出典
- 1ScanNetSecurity2026-04-17報道本文確認済
- 2東京都都市整備局2026-04-02公式本文確認済