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2026-osaka-kokuzei行政・公共最終確認 2026-10-13 10:00

大阪国税局職員が警察官を名乗る詐欺電話に騙され納税者情報をLINEで送信(個人179件・法人80件、計259件)

公表日

大阪国税局(国税庁)(国税庁(財務省))
最終報その他

大阪国税局の職員が、警察官を名乗る人物からの詐欺の電話にだまされ、納税者の情報259件(個人179件・法人80件)をLINEで送ってしまいました。

対象者は?

国税局の調査の対象だった個人・個人事業者179件と法人80件です。報道によると、氏名、住所、電話番号、所得や申告額などが含まれ、対象は金沢国税局を除く全国の国税局などの管内に及ぶとされています。画像として相手に送られたため、流出は確定しています。

大阪国税局は、対象の納税者に順次経緯を説明しているとされています。国税局のWebサイトでは、本件の発表文は確認できていません。

いますぐできること

  • 警察や国税局を名乗る電話で、お金や個人情報、書類の送信を求められたら、いったん切る。自分で調べた代表番号にかけ直して確かめる
  • 知らない相手から「捜査」「嫌疑がかかっている」と言われたら、一人で対応せず家族や同僚に相談し、相手の電話番号をインターネットで検索する

何が起きたのか

2026年4月13日、大阪国税局の職員が勤務中に、私用のスマートフォンで千葉県警の警察官を名乗る人物から電話を受けました。相手は職員のフルネームを告げ、「捜査で嫌疑がかかっている」と伝えました。続いて刑事を名乗る別の人物がビデオ通話で警察手帳のようなものを見せ、職員の仕事が分かると「無関係を証明するため」として業務の資料を求めました。職員は仕事用のパソコンに納税者の情報を表示して画面を撮影し、108枚の画像をLINEで送りました。同僚が様子に気づいて相手の電話番号を調べ、詐欺に使われた番号だと分かりました。

なぜ起きたのか・なぜ広がったのか

ウイルスや不正ログインのような技術的な侵入はなく、仕事で情報を見る権限を持つ人が、だまされて情報を外に出しました。相手は名前を言い当てる、警察手帳のようなものを見せる、通話を切らせないといった方法で信じ込ませました。相手が職員の名前や電話番号をどこで知ったのかは、公表されていません。

いまの状況2026-06-19 時点

大阪国税局は4月15日に公表し、対象の納税者に経緯を説明して、二次被害に注意するよう呼びかけました。大阪府警には被害届を出しています。6月19日の発表では、対象者に警察や国税局を名乗る不審な電話が計14件あったものの、お金の被害は確認されていないとしました。組織としての具体的な再発防止策は、まだ発表されていません。

企業として考えたいこと

社員が「警察」や「取引先の偉い人」を名乗る相手から急いで情報を求められたとき、一人で応じずに相談できる決まりや雰囲気はあるでしょうか。

技術的な要約

2026年4月13日午前11時ごろ、大阪国税局課税第一部の国税実査官が勤務中、私用スマートフォンに千葉県警の警察官を名乗る人物から電話を受けた。相手は職員のフルネームを告げて『捜査で嫌疑がかかっている』と動揺させ、ビデオ通話越しに警察手帳のようなものを見せたうえ、職業を確認すると無関係を証明するためとして業務資料を要求した。職員は業務PCで調査対象の個人・法人の情報を表示して画面を撮影し、画像108枚をLINEで送信した(個人・個人事業者179件、法人80件の計259件。氏名・住所・電話番号・申告額等)。同僚が様子に気づいて番号を検索し詐欺と判明、大阪国税局は4月15日に公表した。6月19日、当該職員を停職6か月の懲戒処分とし(同日辞職)、国税通則法の守秘義務違反の疑いで書類送検されたと報じられた。対象者には警察・国税局を名乗る不審電話が計14件あったが、金銭被害は確認されていない。

公開情報が限られている点について
大阪国税局・国税庁のWebサイト(報道発表資料目次)に本件の発表文が掲載されておらず、公式一次資料を確認できなかった(記者発表のみとみられる)。事実関係は4/15公表と6/19処分発表を伝える報道に依拠。MBS/TBS NEWS DIGはアクセス不可のため未検証。日経の報道(4/15・6/19)は二次記事で参照されているがURLを特定できず。出典8件・時系列8件に届かない。脆弱性は技術的侵入がないため空。攻撃者は不明で犯行主張なし。
侵入
2026-04-13 11:00
被害発生
2026-04-13
検知
2026-04-13
第1報公表
2026-04-15
最新続報
2026-06-19
侵入 → 検知
0日
侵入日から算出
検知 → 公表
2日
データ(上限)
259件
確定 259
波及先
—

攻撃の分類

侵入口
フィッシング公表で確認
電話によるソーシャルエンジニアリング(ボイスフィッシング/警察官なりすまし詐欺)。大阪国税局の発表として報じられた内容では、千葉県警を名乗る人物から職員の私用スマートフォンに着信し、職員のフルネームを言い当てたうえで『捜査の過程で嫌疑がかかっている』と告げた。続いて捜査二課の刑事を名乗る別の人物が、ビデオ通話で警察手帳のようなものを見せ、職員が税務署勤務と分かると特定の人物名を挙げて『関係がないことを証明する』ための情報を要求。職員は業務PCで個人・法人の課税情報ファイルを開き、画面を撮影した画像108枚をLINEで送信した。通話は切らせずに継続させられ、職員は約2時間席を外していた(日刊ゲンダイ)。技術的な侵入はなく、正規の業務アクセス権を持つ職員が騙されて情報を持ち出した。内部者による故意の不正ではないため『内部者』ではなく『フィッシング』とした。
脆弱性
判明している脆弱性はありません
攻撃者
特定・主張なし
ATT&CK

影響

業務停止
なし 業務停止の公表なし
データ
確定上限 259確定 259件
氏名住所電話生年月日業務データその他(所得金額・所得税/法人税の申告額、事業内容、過去の調査状況、法人名)
個人・個人事業者179件、法人80件の計259件(画像108枚)。報道によりデータ項目の記載が異なり、日刊ゲンダイは住所・氏名・生年月日・年齢・電話番号・所得額・所得税/法人税の申告額、Rocket Boys(6/19処分発表の報道を参照)は氏名・法人名・電話番号・事業内容・過去の調査状況・申告額を挙げる。対象は金沢国税局を除く全国10局1事務所の管内に及ぶと報じられた。攻撃者に送信済みのため流出は確定。
波及先
—
  • 漏えい対象の個人・法人に、警察や国税局を名乗る不審な電話が6月19日時点で計14件(金銭被害は未確認)
金銭影響
—
サプライチェーン
—

時系列

  1. 2026-04-13 11:00
    職員の私用スマートフォンに千葉県警を名乗る人物から着信(報道では午前11時ごろ)。フルネームを告げられ嫌疑があると言われる13
  2. 2026-04-13
    捜査二課の刑事を名乗る人物がビデオ通話で警察手帳のようなものを提示。職業を聞き出したうえで業務資料を要求し、職員は業務PCの画面を撮影した画像108枚をLINEで送信(約2時間離席)123
  3. 2026-04-13
    同僚が職員の様子に気づき、通話中に相談。相手の番号をネット検索して詐欺に使われた番号と判明し通話を終了。千葉県警への照会でも捜査の事実はなかった234
  4. 2026-04-15
    大阪国税局が公表(259件:個人179件・法人80件)。総務部長が謝罪コメント。対象納税者へ順次説明し二次被害への注意を呼びかけ356
  5. 2026-04-18
    日刊ゲンダイが手口の詳細(フルネーム、警察手帳提示、約2時間の離席)を報道12
  6. 2026-06-19
    大阪国税局が当該職員(課税第一部の国税実査官、30代男性)を停職6か月の懲戒処分と発表。職員は同日付で辞職し、守秘義務違反(国税通則法違反)の疑いで大阪地検に書類送検。大阪府警に被害届提出済み、対象者への不審電話は計14件4

技術解説

公表された事実:権威を使った電話詐欺で正規ユーザーが情報を撮影・送信 事実

本件にはマルウェアも不正ログインもない。攻撃者は千葉県警の警察官・捜査二課の刑事を名乗って職員の私用スマートフォンに電話し、フルネームを告げ、捜査対象になっていると伝え、ビデオ通話で警察手帳のようなものを見せた。職員が税務署勤務と分かると、特定の人物名を挙げて『関係がないことを証明する』名目で情報を求め、職員は業務PCで個人・法人の課税情報を表示して撮影し、108枚の画像をLINEで送った。報道では約2時間離席しており、通話を切らせないまま指示を続ける手法がとられた。発覚は同僚の声かけによるもので、番号をネット検索して詐欺に使われた番号と判明した。正規のアクセス権・業務端末・私物スマートフォンのカメラという、どの技術的統制にも引っかからない経路で情報が外に出た。

なぜ国税職員が狙われたのか(推測) 解釈

警察官を名乗る詐欺は通常、金銭を目的に一般市民を狙う。本件では途中で職業が税務署勤務と判明した段階で要求が金銭から業務資料に切り替わっており、攻撃者が当初から国税職員を狙ったのか、たまたま当たった相手の職業に応じて要求を変えたのかは公表から判断できない。フルネームを事前に把握していた点は、名簿や過去の漏えいデータを使った標的リストが存在することを示唆する。取得された所得額・申告額・連絡先は、高所得者や法人を狙った次の詐欺(税務調査や還付をかたる電話)の材料として価値が高く、実際に対象者への不審電話が14件確認されている。いずれも推測を含み、攻撃者の正体や組織性は公表されていない。

技術統制の盲点:画面撮影と私物端末 解釈

業務PCにDLPやUSB制御、メール送信制限があっても、画面をスマートフォンで撮影する行為は検知できない。本件の職員は出張先の税務署で業務PCを操作しており、私物スマートフォンを業務中に保持していた。対策の焦点は『データを外に出させない仕組み』よりも『外部から業務情報を要求されたときに、職員が一人で応じない手順』にある。警察を含む外部機関が業務情報を求める場合は正式な照会文書を経由するのが原則で、電話やメッセージアプリで提供することはない、というルールを全職員が反射的に思い出せる状態にしておくことが要点になる。発覚が同僚の声かけだった点は、職場の相互確認が最後の防御線として機能したことを示している。

対応

封じ込め
同僚の声かけで通話を終了。対象納税者へ順次経緯を説明し、二次被害(警察・国税局を名乗る不審電話等)への注意を呼びかけ。大阪府警に被害届を提出。6/19に当該職員を停職6か月の懲戒処分(同日辞職)。再発防止策の具体的内容は確認できた出典に記載なし。
公表の仕方
発生2日後の4/15に公表(件数・内訳と手口の概要)。6/19に懲戒処分とあわせて詳細を発表。職員の年齢は初報時の報道で20代、6/19の発表を伝える報道で30代と食い違いがある(理由不明)。大阪国税局・国税庁のWebサイト上で本件の発表文は確認できなかった。
当局対応
  • 警察:大阪府警に被害届を提出
  • 検察:当該職員が守秘義務違反(国税通則法違反)の疑いで大阪地方検察庁に書類送検(2026-06-19報道)
  • 懲戒処分:当該職員を停職6か月(2026-06-19)

教訓と対策

教訓具体的な対策
外部機関を名乗る電話に業務情報を提供してしまった『警察・行政機関からの業務情報の照会は文書(捜査関係事項照会書等)でのみ受け付け、電話・SNS・メッセージアプリでは一切提供しない』と規程化し、受付窓口を組織として一本化。私用端末への着信でも同じ扱いとすることを研修で明示する
通話を切らせず、一人で判断させる手口『身に覚えのない捜査・嫌疑の電話を受けたら必ず一度切り、代表番号に自分からかけ直す』『上長に報告するまで何も送らない』を、実際の詐欺音声を使ったロールプレイ訓練で反復する。相談しにくい雰囲気を作らないよう、報告者を責めないルールを明文化
業務PCの画面をスマートフォンで撮影して持ち出せた機微情報を扱う執務エリアでは私物スマートフォンの持ち込みを制限またはロッカー保管とし、業務画面に利用者IDと時刻の電子透かし(ウォーターマーク)を表示して撮影画像の出所を追跡可能にする
短時間に大量の納税者ファイルが閲覧された業務システムの閲覧ログを監視し、担当外の事案や全国の管内にまたがるファイルの短時間での連続閲覧をアラート化。閲覧時に業務上の目的入力を求める

自組織などでの確認項目

  1. あなたの組織で、警察や取引先を名乗る相手から電話で顧客情報を求められたとき、社員が『断ってよい』と即答できる明文化されたルールはあるか。
  2. DLPやログ監視をすり抜ける『画面撮影』による持ち出しに対し、技術・物理・運用のどれで対処しているか。
  3. 社員が詐欺に引っかかっている最中に、周囲が気づける職場になっているか。報告した社員を責めずに済む仕組みはあるか。

未解明点

  • 攻撃者が職員のフルネームと私用電話番号をどこで入手したのか
  • 当初から国税職員を狙った標的型だったのか、警察官なりすまし詐欺の途中で要求を変えたのか
  • 職員が担当外を含む全国10局1事務所の管内の情報にアクセスできた理由と、閲覧権限の設計
  • 国税庁・大阪国税局としての組織的な再発防止策の内容
  • 個人情報保護委員会への報告の有無

出典

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