松沢書店へのランサムウェア攻撃(「楽譜ナビ」「注文くん」停止・受発注/出荷に支障)
公表日
楽譜・音楽書籍の専門卸である松沢書店で、サーバーがランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。に感染し、「楽譜ナビ」「注文くん」などが止まって受発注・出荷に支障が出た。
対象者は?
「楽譜ナビ」「注文くん」を使う取引先の小売店、EDIで発注する取引先の出版社などで、受発注の業務に影響があった。個人情報などの情報漏えいの有無は、まだ発表されていないため、含まれるかどうかは分からない。
取引先の方は、松沢書店が公式サイトで出しているお知らせで、サービスの再開状況を確認してください。個別の影響については、同社からの連絡をご確認ください。
いますぐできること
- 取引先の方は、松沢書店の公式サイトのお知らせで最新の再開状況を確認する。
- 発注はメール受注や、ポータルサイト掲載のExcel注文書など、同社が案内する方法を使う。
- 同社を名乗る不審なメールが届いた場合は、送信元をよく確認し、添付ファイルを安易に開かない。
何が起きたのか
報道によると、松沢書店は5月9日にサーバーへの不正アクセス使う権限のない人が、他人のIDやパスワード、システムの弱点を使って、サービスやサーバーに入り込むことです。日本では「不正アクセス禁止法」で禁止されている犯罪です。とランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。感染の被害を報告しました。「楽譜ナビ」「注文くん」などのサービスが止まり、受発注や出荷に支障が出ました。同社は5月18日に公式サイトで発表しました。外部の専門会社と協力し、疑いのあるサーバーや端末の隔離、サーバーの作り直し、パスワード変更を行い、臨時のメール受注で業務を順次再開しました。
なぜ起きたのか・なぜ広がったのか
侵入の経路や原因は、まだ発表されていません。受発注の仕組みが止まったことで、取引先の小売店や出版社の業務にも影響が出ました。
いまの状況2026-05-25 時点続報待ち
5月22日14時時点で、楽譜ナビの発注機能は一部再開しましたが、納品データのダウンロードや注文履歴、在庫数表示などは復旧中です。注文くんも復旧の途中です。全面復旧の時期、情報漏えいの有無、攻撃者については、まだ発表されていません。
企業として考えたいこと
自社の受発注システムが突然使えなくなったら、メールや紙などの代わりの方法で、どこまで仕事を続けられるでしょうか。
技術的な要約
楽譜・音楽書籍の専門卸である松沢書店は、自社サーバーが外部から不正アクセスを受けランサムウェアに感染したと2026年5月18日に公式サイトで発表した。報道によれば5月9日にサーバーへの不正アクセスおよびランサムウェア感染被害を報告しており、「楽譜ナビ」「注文くん」をはじめとする各種サービスが停止し、受発注・出荷業務に支障が生じた。同社は外部のセキュリティ専門会社と連携して感染疑いサーバー・端末の隔離、サーバー再構築、パスワード変更を行い、臨時のメール受注で業務を順次再開した。5月22日14時時点で「楽譜ナビ」の発注機能は一部再開したが、納品データDL・注文履歴・在庫数表示などや「注文くん」は復旧対応中である。侵入経路・原因、情報漏えいの有無、攻撃者は公表されていない。
公開情報が限られている点について
攻撃の分類
- 侵入口
- 不明「現時点で、松沢書店は具体的な侵入経路や原因を公表していません。」自社サーバーが外部から不正アクセスを受けたとのみ公表されている。
- 脆弱性
- 判明している脆弱性はありません
- 攻撃者
- 特定・主張なし
- ATT&CK
影響
- 業務停止
- あり 「楽譜ナビ」「注文くん」をはじめとする各種サービスが停止し、受発注・出荷業務に支障。臨時のメール受注で順次再開。5月22日14時時点で楽譜ナビの発注機能は一部再開、納品データDL・注文履歴・分析機能・在庫数表示などは復旧対応中、注文くんも復旧途上。店舗在庫数は5月8日時点のデータで停止。一部EDI発注システムとネット発送代行サービスは5月15日時点で再開に時間を要する状況。期間:5月9日の被害報告から少なくとも5月25日時点まで継続(全面復旧時期は未公表)
- データ
- 調査中上限 —確定 —情報漏えいの有無は現時点の公表では明らかにされていない。
- 波及先
- —
- お取引先小売店(楽譜ナビ・注文くんの利用者)
- お取引先出版社(EDI発注)
- 金銭影響
- —
- サプライチェーン
- 取引先小売店・出版社の受発注業務に影響が及んだが、委託先経由の侵害などサプライチェーン起点の記載はない。
時系列
- 2026-05-08
- 2026-05-09サーバーへの不正アクセスおよびランサムウェア感染被害を報告(5月15日の進捗報告で言及)2
- 2026-05-15小売店向け進捗報告:サーバー入れ替えを完了し安全な通信環境を回復、出荷対応を開始。楽譜ナビ・注文くんは復旧に時間を要するため臨時メール受注で対応2
- 2026-05-15 16:00
- 2026-05-15ScanNetSecurityが、同社サーバへの不正アクセスによるランサムウェア感染の発表として報じた3
- 2026-05-18
- 2026-05-22 14:00
- 2026-05-25 09:00お取引先小売店向けに「楽譜ナビ」のサービス一部再開について(5月25日9時時点)のお知らせ3
技術解説
公表された被害の範囲と時系列 事実
報道によれば、松沢書店は2026年5月18日、自社サーバーが外部から不正アクセスを受けランサムウェアに感染したと公式サイトで発表した。5月15日の進捗報告では、5月9日にサーバーへの不正アクセスおよびランサムウェア感染被害を報告していたことが説明されている。これにより「楽譜ナビ」「注文くん」をはじめとする各種サービスが停止し、受発注および出荷業務に支障が生じた。5月22日14時時点では、楽譜ナビの発注機能が一部再開した一方、納品データのダウンロード、注文履歴、在庫数表示などは復旧対応中とされた。店舗在庫数は5月8日時点のデータで止まっていると告知されている。なお、ScanNetSecurityは発表を5月15日としており、媒体によって日付の記述に違いがある。
対応内容と業務継続の方法 事実
同社は外部のセキュリティ専門会社の協力のもと、感染の疑いがあるサーバー・端末の隔離、サーバー再構築、各種パスワードの変更を実施し、安全確認のうえで段階的に業務を再開していると報じられている。5月15日の進捗報告では、小売店からの受注についてサーバー入れ替えを完了し、安全な通信環境を回復して出荷対応を開始したと説明された。楽譜ナビ・注文くんの復旧には時間を要するため、臨時のメール受注で対応した。メール送信には安全確認済みの端末・環境のみを使い、送信ファイルは都度ウイルススキャンし、自動送信は感染が確認されていない基幹サーバーから行うとしている。楽譜ナビの発注画面が重いため、Excel注文書の併用も案内された。一部のEDI発注システムとネット発送代行サービスは、5月15日時点で再開に時間を要する状況だった。
公表されていない事項 事実
報道によれば、具体的な侵入経路や原因は公表されていない。情報漏えいの有無、攻撃者やランサムウェアの名称、復旧完了時期の詳細も、現時点の公表では明らかにされていないとされる。今回の資料にある出典は報道3件で、公式発表そのものは出典一覧に含まれていない。そのため、被害件数、金銭的影響、当局への届出の有無などは、本資料からは確認できない。数値として確定できるのは日付や時刻に限られ、漏えい件数の上限も確定値も示されていない。
業務への影響が長引いた背景(解釈) 解釈
公表内容から読み取れる範囲での解釈として、同社は楽器店や出版社の受発注をつなぐ卸の役割を持ち、楽譜ナビ(1999年公開)と注文くん(1998年開発)が日々の発注・在庫確認に使われていた。これらが止まると、取引先の業務にも影響が及びやすい構造だったと考えられる。一方で、サーバー入れ替えによる出荷再開、メール受注、Excel注文書といった代替手段を早期に用意しており、業務を止め切らない工夫も見て取れる。ただし、侵入経路が公表されていないため、被害拡大の要因や再発防止策の中身までは判断できない。以上は公表された断片的な情報に基づく推測であり、実際の原因は今後の続報で変わりうる。
対応
- 封じ込め
- 外部のセキュリティ専門会社の協力のもと、感染の疑いがあるサーバー・端末の隔離、サーバー再構築(入れ替え)、各種パスワード変更を実施。安全確認のうえ段階的に業務を再開し、臨時のメール受注で受発注・出荷を継続。メール送信は安全確認済みの端末・環境のみ使用、送信ファイルは都度ウイルススキャン、自動送信は感染未確認の基幹サーバーから実施。
- 公表の仕方
- 公式サイトで2026年5月18日に発表。5月15日に出版社向け・小売店向けの進捗報告、5月22日14時時点の続報、5月25日9時時点の楽譜ナビ一部再開のお知らせを順次掲載。侵入経路・原因、情報漏えいの有無、攻撃者、復旧完了時期は未公表。
- 当局対応
- —
教訓と対策
| 教訓 | 具体的な対策 |
|---|---|
| 基幹の受発注システムが止まると、取引先を含む業務全体が止まる。 | 受発注・在庫システムごとに目標復旧時間(RTO)を定め、メール受注やExcel注文書などの代替手順を事前に文書化して年1回は実際に試行する。 |
| 復旧中の代替連絡手段(メール等)が二次感染の経路になりうる。 | 送信専用の隔離端末を用意し、添付ファイルは送信前に自動スキャンする。自動送信は感染未確認のサーバーに限定し、送信元の分離をネットワーク設計に反映する。 |
| 感染した疑いのあるサーバーは隔離のうえ再構築し、認証情報も一斉に更新する必要がある。 | サーバー再構築用のクリーンなイメージと構成管理コードを保管し、パスワード・APIキー・サービスアカウントの一括ローテーション手順をランブックに入れる。 |
| 侵入経路や漏えい有無が未確定の間は、取引先への説明が難しい。 | EDRやサーバーログを少なくとも90日以上、改ざん困難な別系統に保管し、調査時に侵入経路の特定に使えるようにする。取引先向け進捗報告のテンプレートも事前に準備する。 |
| 在庫データが止まるなど、機能ごとに復旧時期が異なり、利用者が混乱しやすい。 | 機能別の復旧状況を一覧にして時刻付きで更新する公開ページを用意し、データの基準時点(例:在庫は5月8日時点)を画面上に明示する。 |
自組織などでの確認項目
- 自社の受発注・在庫システムが1週間止まった場合、メールやExcelなどの代替手段で何割の業務を続けられるか。実際に試した記録はあるか。
- ランサムウェア感染時に、サーバーの隔離、再構築、全パスワード変更を誰がどの順で行うか、手順書と連絡先は最新か。
- 取引先に障害を知らせる際、時刻付きで機能別の復旧状況を出せる体制があるか。ログは何日分、別系統に保管されているか。
未解明点
- 具体的な侵入経路と原因は何か(公表されていない)。
- 個人情報や取引先情報を含む情報漏えいがあったか、あった場合の範囲と件数はどうか。
- 攻撃者やランサムウェアの種類、身代金要求の有無は何か。
- 楽譜ナビ・注文くん・EDI発注・ネット発送代行の全面復旧はいつか。
- 公式発表の日付は5月15日と5月18日のどちらか、あるいは別の発表なのか(報道間で記述が異なる)。
出典
- 1innovaTopia2026-05-24報道本文確認済
- 2セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2026-05-25報道本文確認済
- 3ScanNetSecurity2026-05-27報道本文確認済