Integral Security Reportインテグラル セキュリティ レポート
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2026-r9177a0f9行政・公共最終確認 2026-10-14 17:47

名古屋市のNPO法人ポータル掲載PDFの黒塗り不備による役員等住所の漏えい(同種事案:栃木県190法人2,653名)

公表日

名古屋市
続報ありその他

名古屋市がNPO法人ポータルサイトに載せた書類で、黒塗りした役員等の住所が特定の操作で読み取れる状態でした。人数は調査中で、同種の栃木県の件は190法人2,653名分です。

対象者は?

名古屋市が所轄するNPO法人の役員及び社員の、住所又は居所の記載が対象です。人数と法人数は調査中です。公表では、住所等以外の情報が含まれたかは示されていません。参考として、同じ種類の栃木県の件は190法人2,653名の住所が対象でした。これは栃木県の数字で、名古屋市の人数ではありません。

名古屋市は、住所等が読み取れる状態になっていた法人に、文書で説明と謝罪をしたと発表しています。役員や社員の本人への通知方法は、まだ発表されていません。栃木県は、連絡が取れなかった法人と本人に、文書で説明するとしています。

いますぐできること

  • 名古屋市または栃木県の公式発表で、ご自身が関わる法人が対象か確認する。
  • 所属するNPO法人から説明の連絡が来ていないか確認する。
  • 対象かどうか分からないときは、所属する法人や所轄の自治体に問い合わせる。

何が起きたのか

名古屋市は、NPO法人から提出された事業報告書等の個人の住所などを黒塗りにして、内閣府が運営するNPO法人ポータルサイトに載せていました。その書類(PDF)に特定の操作をすると、黒塗りの下の文字が読み取れる状態だったことが分かりました。先に栃木県が4月23日に同じ問題に気づき、5月1日には別の自治体も発表しました。名古屋市は5月3日にこれを知って自分たちの分を点検し、同じ状態だと確認しました。5月7日にポータルでの公開を止めてもらい、同日に発表しました。

なぜ起きたのか・なぜ広がったのか

名古屋市は原因を、黒塗りした部分が特定の操作で読み取れる状態になることを認識していなかったためと説明しています。栃木県は、PDFの黒塗り部分にデータが残っていたためと説明しています。同じポータルに載せていた他の自治体にも、似た状態があったかどうかは、公表された範囲では分かりません。

いまの状況2026-05-07 時点続報待ち

2026年5月7日時点で、二次被害(流出した情報による被害)は確認されていません。名古屋市のNPO法人の事業報告書等は、当面ポータルで見られません。今後は個人情報を含む書類をポータルに載せず、閲覧希望があれば黒塗りした紙の書類を市民活動推進センターで見てもらう運用に改めるとしています。名古屋市分の法人数と人数は調査中で、分かり次第あらためて発表される予定です。続報はまだ発表されていません。

企業として考えたいこと

自社や自組織がホームページ等で公開しているPDFのうち、個人情報を黒塗りしたものについて、元の文字が内部に残っていないと、どのように確認していますか。

技術的な要約

名古屋市は2026年5月7日、特定非営利活動促進法の閲覧事務における個人情報の漏えいを発表した。内閣府運営のNPO法人ポータルサイトに掲載した事業報告書等のPDFで、黒塗り処理した部分が一定の電磁的操作により読み取れる状態だった。漏えいしたのは同市所轄のNPO法人の役員及び社員の住所又は居所の記載で、該当法人数と人数は調査中とされた。同市は5月1日の他自治体の報道発表を5月3日に把握して点検し、5月7日にポータル上の同市情報へのアクセス停止を確認した。同種事案として栃木県も同ポータルで190法人2,653名の住所が読み取れる状態だったと公表している。両者とも二次被害は確認されていないとしている。

公開情報が限られている点について
公開情報は名古屋市・栃木県の発表と報道2件に限られ、名古屋市分の該当法人数・人数は未公表のため、出典が少なく項目の最低量を満たせない部分がある。
侵入
—
被害発生
—
検知
2026-05-03 16:30
第1報公表
2026-05-07
最新続報
2026-05-07
侵入 → 検知
—
侵入日が非公表
検知 → 公表
4日
データ(上限)
2,653人
確定 2,653
波及先
190
法人

攻撃の分類

侵入口
不明公表で確認
攻撃や侵入に関する公表はない。名古屋市は『黒塗り処理を施した部分について、一定の電磁的操作をすると読み取れる状態になることを認識していなかったため』と説明している。
脆弱性
CVE 非公表公表で確認
NPO法人ポータルサイトに掲載したPDF(黒塗り処理部分)
黒塗り部分にデータが残り、一定の電磁的操作で読み取れる状態だった。CVEの言及はない。
攻撃者
特定・主張なし
ATT&CK
—

影響

業務停止
あり 名古屋市所轄のNPO法人の事業報告書等は、当面の間ポータル上で閲覧できない。栃木県も4月24日からポータル上の同県情報へのアクセスを停止しデータを差し替えている。
期間:名古屋市は当面の間(期間未定)。栃木県は2026-04-24から。
データ
確定上限 2,653確定 2,653人
住所
2,653名・190法人は栃木県の公表値。名古屋市分は『該当法人数並びに役員及び社員の人数は調査中』で、判明次第改めて発表するとされた。名古屋市の対象は所轄NPO法人の役員及び社員の住所又は居所の記載。二次被害は両者とも確認されていない。
波及先
190 法人
  • 栃木県所轄のNPO法人(190法人)
金銭影響
—
サプライチェーン
—

時系列

  1. 2026-04-23 17:49
    栃木県が同県NPO法人の役員住所の漏えいを感知した(内閣府からの情報提供を受け、県が掲載全法人の情報を点検して判明)。4
  2. 2026-04-24
    栃木県がNPO法人ポータルサイト上の栃木県情報へのアクセスを停止し、データ差し替えを開始した。4
  3. 2026-04-30
    栃木県が漏えいの判明した法人に電話連絡し、説明と謝罪を行った(4月30日まで)。4
  4. 2026-05-01
    他の地方公共団体が、ポータル掲載の事業報告書等の黒塗り部分から個人の住所等を読み取れる状態だった事例を報道発表した。3
  5. 2026-05-03 16:30
    名古屋市が上記の報道発表を把握して点検を開始し、同市掲載分でも個人の住所等が読み取れる状態であることを確認した。3
  6. 2026-05-07 09:30
    名古屋市が内閣府にポータルにおける同市情報へのアクセス停止を依頼した。3
  7. 2026-05-07 12:20
    名古屋市がアクセス停止を確認した。3
  8. 2026-05-07
    名古屋市が個人情報の漏えいを発表した。該当法人数と人数は調査中、二次被害は確認されていないとした。123
  9. 2026-05-07
    名古屋市が、住所等を読み取れる状態になっていた法人に文書で説明し謝罪した。再発防止策として、個人情報を含む書類はポータルに掲載せず、閲覧申し出があれば黒塗りした紙媒体を市民活動推進センターで閲覧してもらう運用に改めるとした。3
  10. 2026-05-29
    ScanNetSecurityが本件を報じた。12

技術解説

名古屋市分の事案の経緯 事実

名古屋市は、特定非営利活動促進法に基づきNPO法人から提出された事業報告書等について、個人の住所等に黒塗り処理を施したうえで、内閣府が運営するNPO法人ポータルサイトに掲載していた。2026年5月7日の発表によると、そのPDFに一定の電磁的操作をすると黒塗り部分が読み取れる状態であったことが判明した。対象は同市所轄のNPO法人の役員及び社員の住所又は居所に係る記載で、該当法人数と人数は調査中とされた。5月1日に他の地方公共団体が同種事例を報道発表し、同市は5月3日午後4時30分頃にこれを把握して点検を開始し、同市掲載分でも読み取れる状態を確認した。5月7日午前9時30分頃に内閣府へアクセス停止を依頼し、午後0時20分に停止を確認した。二次被害は確認されていないとしている。

同種事案:栃木県の公表内容 事実

栃木県も、事業報告書等を内閣府運営のNPO法人ポータルサイトに掲載していた。同県の公表では、役員名簿等のPDFを一定の操作すると黒塗り部分の役員住所が読み取れる状態で、2026年4月23日17時49分に感知された。内閣府からの情報提供を受け、県が掲載している全法人の情報を点検して判明したという。漏えいした個人情報は190法人、2,653名の住所で、原因は掲載したPDFファイルの黒塗り部分にデータが残っていたためとされる。県は4月24日からポータル上の県情報へのアクセスを停止してデータを差し替え、4月30日までに判明した法人へ電話で説明と謝罪を行った。連絡が取れなかった法人と本人には今後文書で説明するとしている。二次被害は確認されていない。

公表された原因と再発防止策 事実

名古屋市は原因を、黒塗り処理を施した部分が一定の電磁的操作で読み取れる状態になることを認識していなかったためと説明している。再発防止策としては、NPO法人から提出された書類のうち個人情報を含むものはポータルに掲載しない運用に改める。閲覧の申し出があった場合は、黒塗り処理した紙媒体の書類を市民活動推進センターで閲覧してもらう。住所等を読み取れる状態になっていた法人には、文書で状況を説明して謝罪したとしている。同市所轄のNPO法人の事業報告書等は、当面の間ポータル上では閲覧できない。栃木県は、今後PDFにデータが残らない方法を確認して再発防止に努めるとしている。名古屋市分の該当法人数と人数は、判明次第改めて発表するとされている。

見た目の黒塗りと内部データの乖離(解釈) 解釈

公表内容から読み取れるのは、画面上は黒く塗られていても、PDFの内部には元の文字情報が残り得るという点である。作成者が見た目で確認するだけでは、この状態に気づきにくかったと考えられる。また、複数の自治体が同じポータルへ同様の形式で掲載していたため、一つの自治体の公表が他の自治体の点検につながったように見える。名古屋市が5月3日に自らの掲載分を点検できたのは、他団体の報道発表がきっかけだった。ただし、他に同種の掲載がどれだけあるかは、公表された範囲からは分からない。なお、2,653名・190法人は栃木県の数字であり、名古屋市分に当てはめたり合算したりはできない。本節は公表情報に基づく筆者の推測である。

対応

封じ込め
名古屋市は2026-05-07午前9時30分頃に内閣府へ同市情報のアクセス停止を依頼し、同日12時20分に停止を確認した。栃木県は2026-04-24からポータル上の同県情報へのアクセスを停止し、データの差し替えを行っている。
公表の仕方
名古屋市は2026-05-07に公式発表し、原因(黒塗り部分が電磁的操作で読み取れると認識していなかったこと)と再発防止策を示した。該当法人数・人数は調査中で、判明次第改めて発表するとした。栃木県は190法人2,653名の住所の漏えいを公表し、連絡が取れなかった法人と本人には文書で説明と謝罪を行うとした。
当局対応
  • 内閣府(ポータル運営。名古屋市がアクセス停止を依頼。栃木県には情報提供を行った)

教訓と対策

教訓具体的な対策
見た目の黒塗りは情報の削除にならない。PDFには元の文字データが残ることがある。公開前の処理を「黒塗り」ではなく、テキスト層ごと除去するリダクション機能で行う。または黒塗り後に画像として再生成(フラット化)したPDFだけを公開対象にする。
公開前の検証が見た目の確認だけだと、内部に残ったデータを見落とす。公開パイプラインに自動検査を入れる。pdftotextなどでテキスト抽出し、住所・氏名パターンが残っていれば公開を止める。メタデータや埋め込みオブジェクトも検査する。
他組織の同種事案の公表は、自組織の点検を始める有力な契機になる。同業・同種サービスの事故情報を継続して収集する担当を決める。同種事案を把握したら、公開中の全文書を一括点検する手順(対象一覧、検査スクリプト、報告期限)を事前に用意する。
個人情報を含む書類をオンライン公開する必要性そのものを見直す。公開文書の分類基準を定め、個人情報を含むものは原則オンライン非掲載とする。閲覧の申し出に応じて窓口で黒塗り紙媒体を示す運用など、公開経路を分ける設計にする。
外部運営のプラットフォームへ掲載する場合も、掲載内容の責任範囲と停止手段を決めておく。運営者に対する掲載停止・差し替えの依頼窓口と連絡手順を文書化し、定期的に訓練する。名古屋市は依頼から約3時間で停止を確認しており、こうした手順の有無が対応時間を左右する。

自組織などでの確認項目

  1. 自組織が公開しているPDF(報告書、議事録、入札資料など)のうち、黒塗りやマスキングをしたものはどれか。その元データがファイル内に残っていないことを、どの方法で確認できるか。
  2. 公開前の確認手順は、画面上の見た目の確認だけで終わっていないか。テキスト抽出や自動検査など、内部データを調べる工程が含まれているか。
  3. 他組織で同種の公表があった場合、自組織の公開文書を何日以内に一括点検できるか。点検の担当者、対象の一覧、公開停止を依頼する先は決まっているか。

未解明点

  • 名古屋市分の該当法人数と、住所等が読み取れる状態だった役員及び社員の人数はどれだけか(5月7日時点では調査中)。
  • 名古屋市が所轄する法人の役員及び社員の本人に対し、どのような方法で通知するのか。
  • 黒塗り部分が実際に読み取られた形跡があるのか。アクセス状況の調査結果は公表されるのか。

出典

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    ScanNetSecurity2026-05-29報道本文確認済
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