Integral Security Reportインテグラル セキュリティ レポート
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2026-rf62b0f81小売・EC最終確認 2026-10-14 17:47

オリエンタルダイヤモンドへのランサムウェア攻撃(本社ファイルサーバ暗号化・業務停止、氏名・住所・電話番号流出のおそれ)

公表日

株式会社オリエンタルダイヤモンド
調査中ランサムウェア不正アクセス

ダイヤモンドジュエリーを扱う株式会社オリエンタルダイヤモンドが2026年5月4日にランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。攻撃を受け、本社ファイルサーバーのデータが暗号化されて業務が止まり、氏名・住所・電話番号が流出した可能性があると発表した。件数はまだ発表されていない。

対象者は?

同社が保有する個人情報のうち、氏名・住所・電話番号が流出した可能性があります。金融機関口座情報、クレジットカード情報、マイナンバーは含まれないとされています。対象者が顧客か従業員かなど、具体的な範囲や件数は、参照できた報道では示されていません。

個別の連絡方法や問い合わせ窓口は、参照できた報道に書かれていません。同社の公式お知らせを確認してください。現時点で不正利用等の被害は確認されていないとされています。

いますぐできること

  • 同社の担当者の名前をかたるメールや、添付ファイルを開かせようとする連絡には注意し、心当たりがなければ開かない。
  • 不審な連絡を受けたときは、メール内の連絡先ではなく、同社の公式サイトに載っている窓口で確認する。
  • 同社の公式お知らせを時々確認し、続報が出ていないか見る。

何が起きたのか

2026年5月4日、同社の本社ファイルサーバーが第三者からランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。を使った攻撃を受け、データが暗号化されました。この影響で業務が止まりました。同社はサーバーを切断し、外部の保守サービスで復旧を始め、上野警察署と個人情報保護委員会に報告しました。5月12日に公表し、氏名・住所・電話番号が外部に流出した可能性があると説明しました。ランサムウェアグループ「The Gentlemen」が同日、犯行を主張しています。ただし同社の公式発表には、このグループへの言及はありません。

なぜ起きたのか・なぜ広がったのか

侵入経路はVPNだったと同社が明らかにしています。VPNの製品名や、どのような弱点が使われたかは公表されていません。グループの一般的な手口として、研究者が特定の機器の脆弱性の悪用を報告していますが、本件で使われたとは発表されていません。

いまの状況2026-05-26 時点続報待ち

2026年5月26日時点の情報では、調査中です。同社は再発防止策として、侵入経路となったVPNを使用しない体制へ移行するとしています。現時点で不正利用等の被害は確認されていないとされています。流出した件数、業務停止の期間、復旧の完了時期はまだ発表されていません。

企業として考えたいこと

自社の外部から使える接続口(VPNなど)が侵害されてファイルサーバーが暗号化された場合、どの業務が何日止まり、誰に何を知らせるか、すぐに説明できますか。

技術的な要約

オリエンタルダイヤモンドは2026年5月12日、5月4日に第三者からランサムウェアを用いたサイバー攻撃を受け、本社ファイルサーバーのデータが暗号化されたと公表した。データ暗号化で業務が停止したほか、氏名・住所・電話番号が外部に流出した可能性がある。口座情報・クレジットカード情報・マイナンバーは流出対象に含まれないとしており、現時点で不正利用等の被害は確認されていない。侵入経路はVPNで、同社は再発防止策としてVPNを使用しない体制へ移行するとしている。同社はサーバー切断、外部保守サービスによる復旧開始、上野警察署と個人情報保護委員会への報告を行った。ランサムウェアグループThe Gentlemenがリークサイトに同社を掲載し犯行を主張しているが、同社の公式発表にはグループへの言及がない。

公開情報が限られている点について
同社の公式発表原文は一覧に含まれず、報道と研究者情報のみが出典。公式出典が無いため最低量(公式の各報・出典8件以上)を満たせない。侵入日、被害件数、業務停止の期間、金銭影響は公表情報にない。
侵入
—
被害発生
2026-05-04
検知
2026-05-04
第1報公表
2026-05-12
最新続報
2026-05-26
侵入 → 検知
—
侵入日が非公表
検知 → 公表
8日
データ(上限)
—
確定 —
波及先
—

攻撃の分類

侵入口
VPN/境界機器公表で確認
同社は再発防止策として「侵入経路となったVPNを使用しない体制」への変更を公表しており、VPN経由で侵入されたことが確認されている。VPN製品名・脆弱性・認証情報の悪用の別は出典に記載がない。
脆弱性
CVE 非公表不明
VPN(製品名非公表)
侵入経路がVPNであることのみ公表され、製品・脆弱性の詳細は出典にない。
CVE-2024-55591報道・研究者
Fortinet FortiOS / FortiProxy
The Gentlemenの主要侵入手法として研究者・報道が挙げるもので、本件で悪用されたとは公表されていない。
攻撃者
The Gentlemen 被害組織は認めていない
2026年5月12日にリークサイトで犯行を主張し、交渉に応じなければ全データのリークを公開すると脅迫している(DeXpose)。
ATT&CK

影響

業務停止
あり データ暗号化で業務が停止した。具体的な停止範囲は出典にない。
データ
おそれ上限 —確定 —
氏名住所電話
流出の可能性がある情報は氏名・住所・電話番号。件数は非公表。金融機関口座情報・クレジットカード情報・マイナンバーは含まれないとされる。現時点で不正利用等の被害は確認されていない。
波及先
—
金銭影響
—
サプライチェーン
—

時系列

  1. 2025-07-17
    The Gentlemenの最初の既知のサンプルがVirusTotalに出現した。1
  2. 2025-07-22
    hastalamuerteがQilinに約48,000ドルの未払い手数料があると公に主張した。1
  3. 2026-04
    The Gentlemenが活動量でRaaS世界第2位に達した(S-RM Inform)。3
  4. 2026-05
    The Gentlemen自身のバックエンド基盤が侵害され、内部チャットログやアフィリエイト情報などが露出。管理者は基盤を再構築し活動を再開した。1
  5. 2026-05-04
    オリエンタルダイヤモンドの本社ファイルサーバーがランサムウェア攻撃を受けデータが暗号化された。同社が被害を確認した。234
  6. 2026-05-11
    The DFIR Reportが「Flash Alert: EtherRat and TukTuk C2 End in The Gentleman Ransomware」を公開した(参考文献に記載)。1
  7. 2026-05-12
    同社が被害を公表。氏名・住所・電話番号流出の可能性、サーバー切断、外部保守サービスによる復旧開始、警察・個人情報保護委員会への報告を示した。234
  8. 2026-05-12
    The Gentlemenが同社への攻撃の犯行を主張し、連絡がなければ全データのリークを公開するとした。5
  9. 2026-05-15
    セキュリティ対策Labが、The Gentlemenのリークサイトに同社を含む日本企業3社が掲載されたと報じた。3
  10. 2026-05-26
    ScanNetSecurityが、侵入経路となったVPNを使用しない方針について報じた。4
  11. 2026-07-10
    Palo Alto(Unit 42)が「No Manners Here: The Ruthless Rise of The Gentlemen Ransomware」を公開した(参考文献に記載)。1

技術解説

公表された被害の内容 事実

株式会社オリエンタルダイヤモンドは2026年5月12日、5月4日に第三者からランサムウェアを用いたサイバー攻撃を受け、本社ファイルサーバーのデータが暗号化されたと公表した。データ暗号化で業務が停止したほか、同社が保有する個人情報が外部に流出した可能性がある。流出の可能性がある情報は氏名・住所・電話番号で、金融機関口座情報・クレジットカード情報・マイナンバーは含まれないとされる。現時点で不正利用等の被害は確認されていない。対応として、サーバー切断、外部保守サービスによる復旧開始、上野警察署と個人情報保護委員会への報告が行われた。

侵入経路としてのVPNと、グループの一般的な手口 事実

同社は再発防止策として「侵入経路となったVPNを使用しない体制」への移行を明言しており、VPN経由で侵入されたことが確認されている。一方、参照した出典には、VPNの製品名、脆弱性の有無、認証情報の悪用かどうかの記載がない。Blackpoint Cyberの脅威プロファイルは、The Gentlemenの主要侵入手法としてFortiOS・FortiProxyのCVE-2024-55591の悪用を挙げ、研究者が約14,700台の侵害済みFortiGateを保持すると報告したと記す。ただしこのプロファイルにオリエンタルダイヤモンドに関する記述はなく、本件でこの脆弱性が悪用されたとは公表されていない。

犯行主張とリークサイト掲載の位置づけ 事実

セキュリティ対策Labは、The Gentlemenのリークサイトに同社を含む日本企業3社が新たに掲載されたと報じた。DeXposeによれば、グループは2026年5月12日に犯行を主張し、企業の担当者が提示した連絡経路で接触しない限り、まもなく全データのリークを公開するとしている。一方、各社の公式発表にはThe Gentlemenへの言及がなく、掲載は同サイトの独自調査によるものである。同サイトは、リークサイトへの掲載が情報流出を意味するものではないとも注意している。同グループは2025年半ばに登場したRaaSで、Qilinの元アフィリエイトが率いるとされる。

公表のスピードと、情報が限られる点の評価 解釈

被害確認の5月4日から公表の5月12日まで約8日で、innovaTopia編集部はこれを国内のインシデント対応として比較的早い部類と評価している。氏名・住所・電話番号に絞って流出の可能性を示し、含まれない情報の種類も明記した点は、利用者が備えやすい情報の出し方と読める。他方、件数や対象者の範囲、業務停止の期間は参照できた出典にない。また今回の出典は報道と研究者情報が中心で、同社の発表原文を直接確認できていない。この状況で、攻撃者の主張と同社の公表内容を結びつける判断は慎重であるべきで、続報を待つ段階にあると考えられる。

対応

封じ込め
サーバーを切断し、外部保守サービスによる復旧を開始した。再発防止策として、侵入経路となったVPNを使用しない体制へ移行するとした。担当者名をかたったメールや添付ファイルを開かせる誘導への注意喚起も告知している。
公表の仕方
2026年5月4日の被害確認から約8日後の5月12日に公表した。氏名・住所・電話番号の流出可能性を示し、口座・クレジットカード・マイナンバーは含まれないとした。同社の公式発表にはThe Gentlemenへの言及はない。
当局対応
  • 上野警察署
  • 個人情報保護委員会

教訓と対策

教訓具体的な対策
VPNなどの外部公開された遠隔接続口は、侵入経路になりうる。VPN装置の製品・ファームウェアのバージョンを資産台帳で管理し、ベンダーのセキュリティ情報を購読してパッチ適用期限(例:重大は数日以内)を定める。管理画面は外部公開せず、接続元IPを制限する。
本社ファイルサーバー1台の暗号化が業務停止に直結する。バックアップは3-2-1の原則で保持し、1世代はネットワークから切り離す(イミュータブル設定など)。復元訓練を年1回以上行い、復旧時間を実測する。
ネットワーク接続の方式を見直す選択肢がある(同社はVPNを使用しない体制へ移行すると表明)。ゼロトラスト型のアクセス制御やIDプロバイダ連携の接続方式を検討する。移行までの間はVPNに多要素認証を必須にし、ログイン失敗や異常な接続元を監視して通知する。
個人情報の持ち出しを早期に検知できる体制が、流出範囲の特定を助ける。ファイルサーバーのアクセスログと、外向き通信(WinSCPやRcloneなどの転送ツールを含む)を一定期間保管する。大量転送のアラートを設定し、調査時に流出範囲を確認できるようにする。
攻撃者の主張と公式発表は別物であり、混同しないことが大切である。インシデント対応手順に、リークサイトの監視と、主張を受けた場合の事実確認手順を入れる。対外発表は確認済みの事実と調査中の事項を分けて書くテンプレートを用意しておく。

自組織などでの確認項目

  1. 自組織のVPN装置・リモートアクセス機器の製品名とバージョンを、今すぐ一覧で答えられますか。最新のセキュリティ更新は適用済みですか。
  2. 本社のファイルサーバーが暗号化された場合、どの業務が何日止まるか見積もっていますか。切り離して保管しているバックアップから復元できることを、最近確認しましたか。
  3. 氏名・住所・電話番号を保有するファイルサーバーの場所と、アクセスできる人の範囲を把握していますか。外部への大量転送を検知する仕組みはありますか。

未解明点

  • 流出した可能性のある個人情報の件数と、対象者の範囲(顧客・取引先・従業員など)は公表されるのか。
  • 侵入に使われたVPNの製品名、脆弱性の有無、認証情報の悪用かどうかは明らかになるのか。
  • 業務停止の範囲と期間、復旧の完了時期はいつか。
  • The Gentlemenが主張するデータが実際に同社のものか、公開された場合の内容と同社の発表との整合はどうか。

出典

  1. 1
    Blackpoint Cyber研究者本文確認済
  2. 2
  3. 3
    セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2026-05-15報道本文確認済
  4. 4
  5. 5