日本トレクス(極東開発工業グループ)への不正アクセス(発注・部品受注・メール送受信が停止、9/30に再開)
公表日
極東開発工業のグループ会社・日本トレクスで、2026年9月8日に第三者による不正アクセス使う権限のない人が、他人のIDやパスワード、システムの弱点を使って、サービスやサーバーに入り込むことです。日本では「不正アクセス禁止法」で禁止されている犯罪です。があり、発注やメールなどが約22日間止まりました。個人情報や顧客データの外部流出は、9月30日時点で確認されていません。
対象者は?
日本トレクスと取引する顧客・取引先のうち、インターネットでの発注、指定取引先向けの部品受注システム、同社とのメール送受信を使う人が、停止の影響を受けました。個人情報や顧客データの外部流出は確認されておらず、流出した情報の件数も公表されていません。
日本トレクスの新着情報で、9月8日・9月11日・9月30日のお知らせを確認できます。個別の影響の有無は、日本トレクスの担当窓口に問い合わせてください。
いますぐできること
- 日本トレクスと取引がある場合は、同社の公式お知らせで、再開した業務の内容を確認する。
- 日本トレクスを名乗る不審なメールや連絡が届いたら、公式の連絡先で本物かどうかを確かめる。
何が起きたのか
2026年9月8日、日本トレクスでシステム障害が起きました。極東開発工業は同日、第1報として公表しましたが、原因は明らかにされませんでした。9月11日の第2報で、第三者による不正アクセス使う権限のない人が、他人のIDやパスワード、システムの弱点を使って、サービスやサーバーに入り込むことです。日本では「不正アクセス禁止法」で禁止されている犯罪です。があったと公表されました。インターネットでの発注、指定取引先向けの部品受注システム、顧客・取引先とのメール送受信が止まり、部品受注はFAXなどで続けられました。9月30日に安全性の確認と再発防止策の策定が終わったとして、止まっていた業務が再開されました。
なぜ起きたのか・なぜ広がったのか
侵入経路、手口、攻撃者は公表されていません。どのシステムが被害を受けたかも公表されていません。なお、7月17日にINC Ransomという攻撃グループのサイトに親会社の名前が載っていましたが、9月の事案との関連は公式には確認されていません。
いまの状況2026-09-30 時点
2026年9月30日に停止していた業務は再開されました。外部流出は確認されておらず、連結業績への影響は「軽微」とされています。再発防止策の具体的な内容はまだ発表されていません。
企業として考えたいこと
自社のメールや発注システムが何日も使えなくなったら、取引先とどの手段で連絡を取り、注文を受け続けられるでしょうか。
技術的な要約
極東開発工業のグループ会社である日本トレクスで2026年9月8日にシステム障害が発生し、9月11日の第2報で第三者による不正アクセスが原因と公表された。インターネットによる発注業務、指定取引先向け部品受注システム、顧客・取引先とのメール送受信が停止し、部品受注はFAXなどの代替手段で継続した。9月30日に外部専門機関等の協力のもとで安全性確認と再発防止策の策定が完了したとして、停止業務を再開した。個人情報や顧客データなどの外部流出は9月30日時点でも確認されておらず、連結業績への影響は「軽微」とされた。侵入経路・手法・攻撃者は公表されていない。7月17日にINC Ransomの犯行声明サイトへ親会社名が掲載されていたが、9月の事案との関連は公式に確認されていない。
公開情報が限られている点について
攻撃の分類
- 侵入口
- 不明具体的な侵入経路、不正アクセスに使われた手法、攻撃者は公表されていない。どのシステムやサーバーが被害を受けたか、第三者がどこまで内部へアクセスしたかといった調査結果の詳細も公表されていない。
- 脆弱性
- CVE 非公表不明悪用された脆弱性や製品名は公表されていない。
- 攻撃者
- INC Ransom 被害組織は認めていない2026年7月17日付でINC Ransomの犯行声明サイトに「Kyokuto Kaihatsu Kogyo」(極東開発工業)が掲載された。窃取データの内容・容量、身代金要求額は示されていない。9月の日本トレクス事案との関連は公式に確認されていない。
- ATT&CK
- —
影響
- 業務停止
- あり インターネットによる発注業務、指定取引先向け部品受注システム、日本トレクスと顧客・取引先とのメール送受信が停止。部品受注はFAXなどの代替手段で継続した。9月11日時点で復旧の目途は立っておらず、9月30日に停止業務を再開した。期間:2026-09-08の障害発生から2026-09-30の再開まで約22日
- データ
- なし上限 —確定 —個人情報や顧客データなどの外部流出は9月11日・9月30日時点とも確認されていない(日本トレクス9/11のお知らせの題名には「情報流出の可能性」とある)。件数は公表されていない。
- 波及先
- —
- 金銭影響
- 極東開発工業は連結業績への影響を「軽微」と公表した(金額は非公表)。
- サプライチェーン
- 親会社と子会社間での侵害の波及は公表されていない。日本トレクスの停止により、同社への発注や顧客・取引先とのメール送受信が影響を受けた。
時系列
- 2026-07-17
- 2026-09-08
- 2026-09-08
- 2026-09-11
- 2026-09-11
- 2026-09-11
- 2026-09-30 10:00
- 2026-09-30
- 2026-09-30
技術解説
公表された経過と停止した業務 事実
日本トレクスでは2026年9月8日にシステム障害が発生した。極東開発工業は同日に第1報を出したが、原因は明らかにされず、復旧の目途も立っていなかった。9月11日の第2報で、9月8日に第三者による不正アクセスがあったと公表された。調査に伴い、インターネットによる発注業務、指定取引先向けの部品受注システム、顧客・取引先とのメール送受信の3つが停止した。部品受注はFAXなどの代替手段で継続された。9月30日には外部専門機関等の協力のもとで安全性確認と再発防止策の策定が完了したとして、停止していた業務が再開された。障害発生から再開までは約22日である。
データへの影響と公表されていない事項 事実
個人情報や顧客データなどの外部流出は、9月11日時点でも9月30日時点でも確認されていない。件数は公表されていない。極東開発工業は連結業績への影響を「軽微」と公表したが、金額は示されていない。具体的な侵入経路、不正アクセスに使われた手法、攻撃者は公表されていない。どのシステムやサーバーが被害を受けたか、第三者が内部のどこまでアクセスしたかといった調査結果の詳細も公表されていない。再発防止策の具体的な内容や各施策の実施状況も公表されていない。極東開発工業は、グループ全体でセキュリティ強化と再発防止に取り組むとしている。
INC Ransomの掲載に関する報道 事実
ランサムウェアグループ「INC Ransom」の犯行声明サイトには、2026年7月17日付で極東開発工業(Kyokuto Kaihatsu Kogyo)が掲載されていた。これは攻撃者側の主張である。画面には窃取したとするデータの内容や容量、身代金要求額は示されていない。極東開発工業は、7月の掲載についてランサムウェア被害やデータ窃取を公式には公表していない。9月の日本トレクスの事案についても、ランサムウェア攻撃とは公表されていない。7月の掲載との関連は公式には確認されておらず、時期が近いことだけで両者を結びつけることはできない。
業務継続の工夫と復旧期間の読み取り 解釈
部品受注でFAXなどの代替手段が使えたことは、受注の窓口を完全には止めずに済んだ一因と考えられる。一方で、メール送受信とインターネット発注が約3週間止まったことは、取引先との連絡や発注の経路が一つのシステムに集まっていた可能性を示唆する。ただし、システムの構成は公表されていないため、これは推測にとどまる。復旧までの期間は、安全性の確認と再発防止策の策定を終えてから再開する方針だったことと整合する。原因や侵害範囲が非公表である以上、この期間の長短が適切だったかは外部からは判断しにくい。
公表の特徴と読む際の注意 解釈
公表は9月8日、11日、30日の3回に分けて行われ、原因の有無が早い段階で更新された。一方、攻撃手法や被害範囲といった技術的な情報は最終報でも示されていない。この点は、取引先や同業者が自社の対策に生かす材料が限られることを意味する。なお、日本トレクスの9月11日付お知らせの題名には「情報流出の可能性」とあるが、本文では外部流出は確認されていないとされている。題名の「可能性」と本文の「確認されていない」は、確定ではなく調査中の注意喚起として読むのが自然だろう。親子会社間での侵害の波及も公表されていない。
対応
- 封じ込め
- 外部専門機関等の協力を得て調査し、システムの安全性確認と再発防止策の策定を完了。2026年9月30日に停止していた業務を再開した。再発防止策の具体的内容や実施状況は公表されていない。
- 公表の仕方
- 極東開発工業が9月8日に第1報(原因非公表)、9月11日に第2報(不正アクセスと公表)、9月30日10時にTDnetで復旧のお知らせを開示した。日本トレクスも9月8日、9月11日、9月30日にお知らせを掲載した。
- 当局対応
- —
教訓と対策
| 教訓 | 具体的な対策 |
|---|---|
| メールと発注を同時に失うと取引先との連絡が途絶える | メール、発注、受注の各システムを論理的に分離し、一つが止まっても残りが動くよう構成する。メール停止に備え、取引先向けの代替連絡先(別ドメインのメールやWeb窓口)を事前に用意して周知する。 |
| FAXなど紙の代替手段が受注継続を支えた | システム停止時の業務継続手順(受注、出荷、問い合わせ)を文書化し、年1回は実際に切り替える訓練を行う。代替手段の担当者と連絡網を明記しておく。 |
| 復旧時期が未定の間は取引先の不安が大きくなる | 停止範囲、代替手段、次回報告予定日を決めた定型の取引先向け連絡文を事前に用意する。更新の日時を固定し、進展がなくても「調査中」と知らせる運用にする。 |
| 安全性確認を終えてから再開する手順は再発防止に資する | 再開の判断基準(侵害の痕跡の調査完了、認証情報の全面更新、ログ監視の強化)をチェックリスト化し、再開前に外部専門機関と確認する。 |
| グループ会社を含めた把握が必要 | 親会社が子会社を含む外部公開資産の一覧と、ダークウェブ・リークサイト上の組織名の監視を行う。掲載を検知した場合の調査と開示の判断手順を定めておく。 |
自組織などでの確認項目
- 自社のメールと発注・受注の仕組みが同時に止まった場合、取引先とどの手段で連絡し、何日まで業務を続けられるか。
- システム停止時に使う代替手段(FAXや電話など)の手順書と担当者は決まっていて、最近実際に試したか。
- 自社の組織名がリークサイトに掲載されたと分かったとき、誰が調査し、いつ、どの範囲で開示を判断するか決まっているか。
- 子会社やグループ会社のシステムが止まった場合、親会社として状況を把握する経路と、開示の判断基準は整っているか。
未解明点
- 侵入経路、不正アクセスの手法、被害を受けたシステムやサーバーの範囲は公表されるのか。
- 9月の不正アクセスは、7月17日にINC Ransomの犯行声明サイトに掲載された件と関係があるのか。
- 再発防止策の具体的な内容と、その実施状況はどうなっているのか。
- 第三者が内部のどこまでアクセスしたのか。外部流出が確認されなかった根拠となる調査の範囲はどこまでか。
出典
- 1セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2026-10-01報道本文確認済
- 2セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2026-09-14報道本文確認済
- 3ScanNetSecurity2026-09-25報道本文確認済
- 4ScanNetSecurity2026-10-02報道本文確認済
- 5極東開発工業株式会社公式本文確認済
- 6LOGISTICS TODAY2026-09-30報道本文確認済
- 7LOGISTICS TODAY2026-09-14報道本文確認済
- 8日本トレクス2026-10-07公式本文確認済