株式会社シンシアへのランサムウェア攻撃(サーバー保存情報の漏えいのおそれ・2026年2月9日から順次業務再開)
公表日
産業廃棄物処理業の株式会社シンシアがランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。に感染し、サーバーに保存されていた情報が漏えいした可能性があると公表した。漏えいした情報の種類や件数は、まだ発表されていない。
対象者は?
サーバーに保存されていた情報が漏えいした可能性があるとされているが、対象となる人の範囲、情報の種類、件数、個人情報や取引先情報が含まれるかは、まだ発表されていません。
個別の確認方法は発表されていません。同社からの案内を確認してください。同社を名乗る不審なメールが届いた場合は、添付ファイルやURLを開かずに削除するよう案内されています。
いますぐできること
- シンシアを名乗る不審なメールが届いたら、添付ファイルやURLを開かずに削除する。
- シンシアと取引がある場合は、同社からの案内を確認する。
何が起きたのか
2026年1月18日、シンシアがシステムの障害に気づいて調べたところ、外部から不正にアクセスされた可能性が分かりました。1月22日に同社と親会社のレナタスが公表しました。1月29日の第2報では、調べる中でランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。(データを使えなくするウイルス)への感染が確認され、同社のサーバーに保存されていた情報が漏えいした可能性があると説明しました。工場や廃棄物処理・清掃の業務は通常どおり動いていましたが、受発注やマニフェスト伝票などの対応には通常より時間がかかりました。2月18日の第3報では、システムを安全な新しい環境で作り直し、2月9日から順次、通常の業務を再開したと報告しました。
なぜ起きたのか・なぜ広がったのか
侵入された経路や原因の詳細は、まだ確定していません。第3報の時点でも、外部の専門会社と一緒に原因を調べている段階です。
いまの状況2026-02-18 時点続報待ち
2026年2月18日の第3報の時点で、再構築したシステムで順次通常業務を再開しています。原因の詳細、漏えいした情報の種類や件数は、まだ発表されていません。必要な関係当局等への報告は完了しており、新たに分かったことは順次知らせる方針です。
企業として考えたいこと
もし自社のサーバーが止まり、保存情報の漏えいの可能性が出た場合、現場の業務を止めずに受発注や伝票などの周辺の業務をどう続けるか、その手順は決まっているでしょうか。
技術的な要約
産業廃棄物処理業の株式会社シンシアは、2026年1月18日にシステム障害を確認し、調査の結果、外部からの不正アクセスの可能性が判明して1月22日に公表した。調査の過程でランサムウェア感染が確認され、同社サーバーに保存されていた情報が漏えいした可能性があるとしている。廃棄物処理・清掃の工場および業務は通常稼働していたが、受発注やマニフェスト伝票などの対応には通常より時間を要した。2月18日の第3報では、従来環境とは切り離した安全な環境でシステムを再構築し、2月9日から順次通常業務を再開したと説明している。侵入経路、漏えい情報の種類・件数などは公表されておらず、外部の専門会社と調査を継続している。
公開情報が限られている点について
攻撃の分類
- 侵入口
- 不明外部からの不正アクセスの可能性が判明し、ランサムウェア感染が確認されたが、侵入経路は未公表。第3報時点でも原因の詳細は確定していないとしている。
- 脆弱性
- 判明している脆弱性はありません
- 攻撃者
- 特定・主張なし
- ATT&CK
影響
- 業務停止
- あり 廃棄物処理・清掃に関する工場および業務は通常稼働していたが、受発注やマニフェスト伝票などの対応に通常より時間を要した。システムは新環境で再構築され、2026年2月9日から順次通常業務を再開。期間:2026-01-18の障害確認から2026-02-09の順次再開まで
- データ
- おそれ上限 —確定 —同社サーバーに保存されていた情報が漏えいした可能性があるとされる。情報の種類、件数、個人情報の該当性、取引先情報の範囲は記載されていない。
- 波及先
- —
- 金銭影響
- —
- サプライチェーン
- 親会社は株式会社レナタスで、子会社シンシアへの攻撃として発表されている。委託先・取引先への波及は公表されていない。
時系列
技術解説
公表の経過 事実
株式会社シンシアは2026年1月18日にシステム障害を確認し、調査の結果、外部からの不正アクセスの可能性が判明した。親会社の株式会社レナタスは1月22日、子会社シンシアへのサイバー攻撃によるシステム障害について発表した。シンシアも同日にサイバー攻撃によるシステム障害を公表している。第3報には、これより前に1月21日付・1月28日付でシステム障害を案内していたとの記載がある。1月29日の第2報では、調査の過程でランサムウェア感染が確認され、同社サーバーに保存されていた情報が漏えいした可能性があるとした。2月18日には第3報を公表している。
業務への影響と復旧 事実
廃棄物処理・清掃に関する工場および業務は、システム障害の発生後も通常どおり稼働していた。一方、第2報の時点では、受発注やマニフェスト伝票などの対応に通常より時間を要していた。第3報によれば、影響を受けた自社システムの復旧はシステムベンダーの全面協力のもとで進められた。従来のシステム環境とは切り離された安全な環境で、新たなセキュリティフレームワークのもとシステムを再構築し、2月9日より順次通常業務を再開している。あわせて、同社を名乗る不審メール等は添付ファイルやURLを開かず削除するよう注意喚起している。
公表されている調査状況と未公表事項 事実
第2報の時点で公表されている原因は、ランサムウェア感染が確認されたという事実までである。侵入経路、侵害範囲、暗号化や情報持ち出しの有無、影響データの種類などは調査中とされている。漏えいした情報の種類、件数、個人情報の該当性、取引先情報の範囲なども記載されていない。第3報でも原因の詳細は確定しておらず、外部の専門会社の協力のもと、被害状況の確認、被害範囲の特定、原因究明を進めている段階とされた。被害発生時に必要となる関係当局等への報告は完了しており、新たに判明した内容は順次知らせる方針である。
公表内容から読み取れること(解釈) 解釈
工場や現場の業務が通常どおり動く一方で、受発注やマニフェスト伝票の処理に時間を要した点は、現場の作業と事務・伝票系のシステムが分かれていた可能性を示唆する。ただし公表内容だけでは構成は確定できない。システムを従来環境から切り離して再構築した点は、侵害の範囲が確定しない段階でも、再感染の可能性を下げる判断だったと読める。漏えいは「可能性」の段階で、件数や種類も未公表のため、被害規模を推し量るのは適切でない。続報で確定情報が出るまで、断定的な評価は避けるべきである。
対応
- 封じ込め
- 外部の専門会社の協力のもと状況確認、影響範囲の特定、原因究明を実施。システムベンダーの全面協力のもと、従来環境と切り離した安全な環境で新たなセキュリティフレームワークによりシステムを再構築し、2026年2月9日から順次通常業務を再開。同社を名乗る不審メール等は添付ファイルやURLを開かず削除するよう注意喚起。
- 公表の仕方
- 2026年1月22日に公表、1月29日に第2報、2月18日に第3報を公表。新たに判明した内容は順次知らせる方針。第2報時点で、漏えいした情報の種類・件数等は記載されていない。
- 当局対応
- 被害発生時に必要となる関係当局等への報告は完了(具体的な機関名は公表されていない)
教訓と対策
| 教訓 | 具体的な対策 |
|---|---|
| 現場の稼働が保たれても、受発注・伝票などの周辺システムが止まると業務に遅れが出る。 | 受発注、マニフェスト伝票など停止時に影響が大きい業務を洗い出し、システムごとに目標復旧時間を決める。紙やオフラインでの代替手順を作り、年1回以上は停止を想定した訓練で実際に動かして確かめる。 |
| 侵害の範囲が確定しない段階では、従来環境の復旧より切り離した新環境での再構築が選択肢になる。 | 本番と分離したネットワークセグメントやクラウドアカウントに、IaCで環境を再現できる手順を用意する。再構築時には認証情報を全て新規発行し、旧環境からのデータ移行は検査後に限る手順を定めておく。 |
| 初期段階では原因や漏えい範囲を断定できないため、「可能性」の段階から継続的に公表する体制が要る。 | ログの保存期間を最低90日確保し、サーバーやVPNなどの認証ログ、通信ログを外部の安全な場所に集約する。インシデント発生時に外部専門会社へ速やかに提供できる連絡先と契約を事前に整える。 |
| 事案公表後は、組織を名乗る不審メールなど二次被害への注意喚起が必要になる。 | 取引先向けの一斉連絡手段と、正規の連絡元を示す手順を事前に決める。メールゲートウェイでSPF・DKIM・DMARCを強制し、自社ドメインのなりすましメールを拒否・隔離する設定を行う。 |
| 子会社を含むグループ全体で、サーバー保存情報の棚卸しと保護の水準を揃えておく必要がある。 | グループ各社のサーバーにある保存データを分類し、重要データは暗号化と最小権限のアクセス制御を適用する。オフライン、または書き換え不可のバックアップを取り、復元テストを定期的に行う。 |
自組織などでの確認項目
- 自社で、現場は動いていても止まると業務が滞るシステム(受発注、伝票、請求など)はどれか。止まった場合に何日まで耐えられるか。
- 自社のサーバーに保存されている情報の種類と置き場所を一覧で説明できるか。漏えいの可能性が出たとき、何が含まれるかを何日で確認できるか。
- 侵害が疑われたとき、従来環境と切り離した安全な環境へ再構築する手順と担当者が決まっているか。外部の専門会社やベンダーへの連絡経路は明確か。
未解明点
- 侵入経路(初期侵入の方法)と、侵入が始まった日はいつか。
- 漏えいの可能性がある情報の種類と件数、個人情報や取引先情報が含まれるか。
- 暗号化や情報の持ち出しが実際に確認されたか、またその範囲はどこまでか。
- 攻撃者の特定や犯行声明の有無、確認された場合の内容はどうか。
出典
- 1セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2026-02-03報道本文確認済
- 2セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2026-02-20報道本文確認済
- 3ScanNetSecurity2026-02-10報道本文確認済
- 4ScanNetSecurity2026-03-06報道本文確認済