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2026-r6207dbe6製造最終確認 2026-10-13 20:05

興和江守へのランサムウェア攻撃(受注・出荷に遅滞、情報漏えいの痕跡は未確認)

公表日

興和江守株式会社
収束ランサムウェア不正アクセス

福井県の化学品などの専門商社、興和江守株式会社が2026年1月7日にランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。の被害を受けました。受注・出荷が遅れ、メールも使えなくなりました。情報が外に漏れた跡は今のところ見つかっていませんが、漏れた可能性も完全には否定されていません。

対象者は?

影響を受けたのは、同社と取引のある会社です。受注・出荷が遅れ、しばらくメールで連絡できない状態になりました。個人情報や機密情報が外に漏れたことは確認されておらず、漏れた件数や情報の種類も発表されていません。

同社は、影響が及ぶ取引先に順次連絡するとしています。取引先は同社の各担当に電話またはFAXで、一般の人は総務部に電話で問い合わせるよう案内されていました。

いますぐできること

  • 同社と取引がある場合、同社からのメールの添付ファイルは「ダウンロード用URLの通知+パスワードの別送」という方式に変わっています。届いたメールがこの方式に沿っているかを確かめましょう。
  • 受注・出荷の遅れについては、同社の担当者に状況を確認しましょう。

何が起きたのか

2026年1月7日、社内のシステムでデータが勝手に暗号化される不正アクセス使う権限のない人が、他人のIDやパスワード、システムの弱点を使って、サービスやサーバーに入り込むことです。日本では「不正アクセス禁止法」で禁止されている犯罪です。(ランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。)が見つかりました。同社はすぐにパソコンをネットワークから切り離し、同じ日に被害を発表しました。受注・出荷の仕事が遅れ、メールも使えなくなったため、取引先には電話やFAXで連絡するよう案内しました。1月20日には、社内の特定のサーバーが感染していたことを公表しました。また、古い環境から切り離した新しいネットワークと新しいパソコンを用意し、安全を確かめながら少しずつ仕事を再開しました。1月26日にはメールの送受信を再開しています。

なぜ起きたのか・なぜ広がったのか

どこから侵入されたかなど、原因の詳しい内容はまだ発表されていません。同社は被害が広がるのを防ぐため、攻撃の詳しい内容は公表を控えるとしています。

いまの状況2026-02-16 時点

2026年2月16日、同社は事案が収束段階に入ったと発表し、再発を防ぐための取り組みと今後の計画(ロードマップ)を公表しました。専門機関の調査で、調べた範囲では外部に情報が漏れた明確な跡は見つかっていません。ただし、情報が盗まれた可能性を完全には否定できないとして、調査を続けています。補償については、まだ発表されていません。

企業として考えたいこと

もし自社の受注システムとメールが同時に止まったら、取引先への連絡と出荷を何日間、どんな手段で続けられるでしょうか。

技術的な要約

興和江守株式会社(福井県福井市)は2026年1月7日、ランサムウェア感染によるシステム障害の発生を発表し、受注・出荷業務に遅滞が生じメールも使用できなくなった。社内業務で利用している特定のサーバーでランサムウェア感染が確認され、同社は外部専門機関の支援のもと調査と封じ込めを進めた。既存環境と切り離した新ネットワーク・新端末を用意して段階的に業務利用を開始し、1月26日公表内容ではメール送受信も再開した。フォレンジック調査では解析対象において外部への明確な情報漏えいの痕跡は確認されていないが、情報窃取の可能性は完全には否定できないとして調査は継続している。2026年2月16日に同社は事案が収束段階に入ったとして再発防止の取り組みとロードマップを公表した。侵入経路など原因の詳細は明示されていない。

侵入
—
被害発生
2026-01-07
検知
2026-01-07
第1報公表
2026-01-07
最新続報
2026-02-16
侵入 → 検知
—
侵入日が非公表
検知 → 公表
0日
データ(上限)
—
確定 —
波及先
—

攻撃の分類

侵入口
不明
本リリースでは侵入経路など原因の詳細は明示されていない。同社は外部専門機関の協力を得て侵入の原因調査を進めるとしており、被害拡大を防ぐ観点からサイバー攻撃の詳細は公表を控えるとしている。
脆弱性
判明している脆弱性はありません
攻撃者
特定・主張なし
ATT&CK

影響

業務停止
あり 受注・出荷業務に遅滞が発生。メールが使用できない状態となり、取引先からの問い合わせは各担当への電話またはFAXを案内。1月20日公表内容では新ネットワーク・新端末で段階的に業務利用を開始、1月26日公表内容ではメール送受信を再開。
期間:2026-01-07の発生から、メール再開が公表された2026-01-26まで(約20日)。2026-02-16に収束段階入りを公表。
データ
調査中上限 —確定 —
個人情報や機密情報の外部流出は確認できていないと説明。フォレンジック調査では解析対象において外部への明確な情報漏えいの痕跡は確認されていないが、情報窃取の可能性を完全には否定できないとして調査は継続。件数は公表されていない。
波及先
—
  • 影響が及ぶ取引先に対して順次連絡を進める方針(取引先への受注・出荷業務に遅滞が発生)
金銭影響
—
サプライチェーン
取引先への受注・出荷に遅滞が生じ、影響が及ぶ取引先へ順次連絡する方針だが、他社への侵害波及は公表されていない。

時系列

  1. 2026-01-07
    社内システムで暗号化を伴う不正アクセス(ランサムウェア感染)の影響を確認。端末のネットワーク遮断などの初動を実施。12
  2. 2026-01-07
    ランサムウェア感染によるシステム障害の発生を発表(第1報)。受注・出荷業務に遅滞、メール使用不可、情報流出は現時点で確認できていないと説明。2
  3. 2026-01-07
    外部専門機関の協力を得て、侵入の原因調査と影響範囲の特定を開始。21
  4. 2026-01-20
    続報を公表。社内業務で利用する特定サーバーでのランサムウェア感染を確認、情報漏洩を示す痕跡は現時点で未確認と説明。34
  5. 2026-01-20
    既存環境と切り離した新ネットワーク環境を構築し、新規導入PCの安全性確認(OS・ソフトの最新化、ウイルス検査、利用権限確認)を経て段階的に業務利用を開始。31
  6. 2026-01-20
    当該サーバー以外の社内業務システムについても、外部専門機関提供の検疫ツールで順次安全性を確認。3
  7. 2026-01-26
    メール送受信を再開。受信・送信時の検知や誤送信防止を実施し、添付ファイルはダウンロード用URL通知とパスワード別送の方式に変更。1
  8. 2026-02-06
    ScanNetSecurityが新ネットワーク環境と新PC導入について報道。4
  9. 2026-02-16
    封じ込めと復旧対応が進み事案は収束段階に入ったとして、再発防止の取り組みとロードマップを公表。フォレンジックでは明確な情報漏えいの痕跡は未確認だが調査は継続。1

技術解説

公表された経過(1月7日〜2月16日) 事実

興和江守株式会社(本社:福井県福井市)は、化学品・合成樹脂・繊維加工剤・電子材料・電子部品・環境関連商品などの販売と輸出入を行う企業である。同社は2026年1月7日(水)、社内システムで「暗号化を伴う不正アクセス」の影響を確認し、同日にランサムウェア感染によるシステム障害の発生を発表した。業務への影響として受注・出荷業務に遅滞が生じ、メールも使えなくなった。取引先からの問い合わせは各担当への電話またはFAX、一般からの問い合わせは総務部(電話)が案内された。1月20日の続報では、社内業務で利用している特定のサーバーでランサムウェア感染を確認したと説明した。1月26日の公表内容ではメール送受信を再開した。2月16日には封じ込めと復旧対応が進み、事案は収束段階に入ったとして、再発防止に向けた取り組みとロードマップを公表した。

封じ込めと復旧の手順 事実

同社は確認後、端末のネットワーク遮断などの初動を行い、外部専門機関の支援を受けて調査と封じ込めを進めたと説明している。外部専門機関と連携し、不正な操作が行われた形跡や情報の持ち出しの有無を含めた詳細な調査を実施している。復旧では、影響が確認された既存環境と切り離した新しいネットワーク環境を構築し、PCも新たに導入した。新規導入PCは業務利用開始の前に、OSと主要ソフトウェアの最新化、ウイルスや不審な挙動に対する検査、業務に必要な範囲に限定した利用設定と利用権限の確認を行い、支障がないと判断したうえで利用を開始する予定とされた。その後、段階的に業務利用を開始した(1月20日公表内容)。感染が確認されたサーバー以外の社内業務システムについても、外部専門機関から提供される検疫ツールを用いて順次安全性の確認を進めた。メール再開時には、受信・送信時の検知や誤送信防止を実施し、添付ファイルは安全な専用環境に格納してダウンロード用URLを通知し、パスワードを別送する方式に変更した(1月26日公表内容)。

情報漏えいに関する説明の推移 事実

情報漏えいについての同社の説明は、公表のたびに少しずつ具体的になっている。1月7日の第1報では、個人情報や機密情報の外部流出は現時点では確認できていないと説明した。1月20日の続報では、現時点までの調査で情報漏洩を示す痕跡は確認されていないが、調査は継続中としている。2月16日の公表では、外部専門機関のフォレンジック調査で、解析対象において外部への明確な情報漏えいの痕跡は確認されていないとした。一方で、情報窃取の可能性を完全には否定できないとして調査を続けるとしている。影響を受けた件数やデータの種類は公表されていない。侵入経路など原因の詳細もリリースでは明示されていない。同社は被害拡大を防ぐ観点から、サイバー攻撃の詳細については公表を控えるとしている。攻撃者の名前や犯行声明に関する公表もない。

業務影響が受注・出荷に及んだ構造 解釈

同社は商品の販売と輸出入を担う立場にあるため、受注・出荷業務の遅滞は取引先の調達や生産計画にも直接影響しうる。感染が確認されたのは「特定のサーバー」1台の範囲と説明されているが、同時にメールも使えなくなった。このことから、受発注の連絡とその記録が社内システムとメールに集中していた可能性が考えられる。ただし、両者の関係やサーバーの役割は公表されておらず、推測の域を出ない。電話・FAXを代わりの窓口として早い段階で案内したことは、デジタルの連絡手段が止まった場合の業務継続策として参考になる。既存環境を修復して使い続けるのではなく、切り離した新環境と新しいPCで立て直す方法は、侵入経路が特定できていない段階で再感染のリスクを抑えるための判断と読める。その代わりに、メール再開まで約20日を要するなど、復旧に時間がかかった面もあると考えられる。

公表のあり方の評価 解釈

同社は1月7日の第1報から2月16日の収束段階入りまで、少なくとも4回にわたって状況を公表している。発生当日に業務への影響と代わりの連絡手段を示した点は、取引先が対応を考える材料になったと考えられる。情報漏えいについては「確認できていない」から「解析対象において明確な痕跡は未確認、ただし完全には否定できない」へと表現が慎重に変わっており、調査が進んだ範囲を反映した書き方と読める。一方で、侵入経路、感染したサーバーの用途、解析対象の範囲は公表されていない。そのため、外部の読者には再発防止策の妥当性や、自社の取引への影響を判断しにくい面が残る。攻撃の詳細を控える理由として「被害拡大防止」が挙げられており、調査完了後にどこまで開示されるかが今後の注目点となる。

対応

封じ込め
確認後、端末のネットワーク遮断などの初動を実施し、外部専門機関の支援を受けながら調査と封じ込めを進めた。既存環境と切り離した新ネットワーク・新端末を用意し安全性確認のうえ段階的に業務利用を開始。他の社内業務システムは外部専門機関提供の検疫ツールで順次確認。メール再開後は送受信時の検知・誤送信防止を実施し、添付ファイルは専用環境経由に変更した。
公表の仕方
2026年1月7日に第1報、1月20日に現在の対応状況と新規導入PCの安全性確認を公表、1月26日にメール再開等を公表、2月16日に収束段階入りと再発防止ロードマップを公表。被害拡大を防ぐ観点からサイバー攻撃の詳細は公表を控えるとし、侵入経路等の原因は明示されていない。
当局対応
—

教訓と対策

教訓具体的な対策
侵入経路が特定できない段階では、既存環境を修復して使い続けると再感染のリスクが残る。切り離したクリーンなネットワークセグメントと、ゴールドイメージから展開する端末を素早く用意できるよう、イメージ・構成手順(IaC/キッティング手順書)・調達ルートを平時から整えておく。
復旧用の端末を業務に使う前に、安全性を確認する手順が必要になる。OS・主要ソフトの更新適用、EDRやアンチウイルスのフルスキャン、最小権限での利用設定と権限の棚卸しを、チェックリストにして復旧手順書に組み込み、端末ごとの確認記録を残す。
メールが止まると、受注・出荷の連絡が滞る。取引先ごとに電話・FAXなど別経路の連絡先を一覧にしてオフラインで保管する。メール停止時に案内する文面と窓口(総務部など)をインシデント対応計画にあらかじめ定めておく。
情報漏えいの有無は、フォレンジックで解析した範囲でしか判断できない。ファイアウォール・プロキシ・EDRの通信ログを、改ざんされにくい外部の保管先に十分な期間残す。大きな外向き通信の検知ルールを用意し、調査時に持ち出しの有無を広い範囲で確認できるようにする。
感染が確認されたサーバー以外のシステムも、安全性を確かめてからでないと再開できない。資産台帳を最新の状態に保ち、検疫スキャンの対象リストと優先順位(業務上重要なシステムから)を平時から決めておく。

自組織などでの確認項目

  1. 受注・出荷業務を処理しているサーバーとメールが同時に止まった場合、自社は何日以内に代わりの手段で出荷を続けられるか。電話・FAXの連絡先一覧はオフラインで用意されているか。
  2. 既存環境から切り離した新ネットワークと新PCを用意する場合、端末の調達・イメージ展開・安全確認に何日かかるかを見積もっているか。
  3. 自社のログ保管期間と保管場所で、ランサムウェア被害の後に「情報の持ち出しの有無」をどの範囲まで調べられるか。
  4. 取引先がランサムウェア被害を受けたとき、自社の受発注やメール受信(URL通知方式の添付ファイルなど)にどう対応するかの手順は決まっているか。

未解明点

  • 侵入経路と初期侵入の時期(VPN機器、リモート接続、認証情報など)は公表されていない。
  • 感染した「特定のサーバー」の用途と、フォレンジックの「解析対象」の範囲は公表されていない。
  • 身代金の要求の有無、攻撃グループの名前、リークサイトへの掲載の有無は公表されていない。
  • 受注・出荷業務が完全に元に戻った日と、影響を受けた取引先の数は公表されていない。
  • 2月16日に公表された再発防止ロードマップの具体的な内容と、調査の最終結果は確認できていない。

出典

  1. 1
    セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2026-02-19報道本文確認済
  2. 2
    セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2026-01-08報道本文確認済
  3. 3
    セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2026-01-20報道本文確認済
  4. 4