Integral Security Reportインテグラル セキュリティ レポート
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2026-r4834edd4教育最終確認 2026-10-13 20:05

沖縄県立看護大学 教務支援システムへのランサムウェア攻撃(サーバ内ファイル暗号化・システム停止)

公表日

公立大学法人 沖縄県立看護大学
調査中ランサムウェア不正アクセス

沖縄県立看護大学の教務支援システムが2025年12月22日にランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。に感染しました。サーバ内のファイルが暗号化され、システムは止まっています。学生の情報が流出した確証はありませんが、大学は漏えいの可能性を完全には否定できないとしています。対象となる件数はまだ発表されていません。

対象者は?

沖縄県立看護大学の教務支援システムに情報が登録されている学生。大学は、学生情報を含むシステムのため漏えいの可能性は否定できないとしています。ただし、流出したことを示す確証は見つかっていません。対象となる人数や、どんな種類の情報が含まれるかはまだ発表されていません。被害は教務支援システムに限られているとされています。

大学からのお知らせや公式発表を確認してください。対象者の範囲や、一人ひとりへの連絡の方法はまだ発表されていません。

いますぐできること

  • 大学を名乗る不審なメールやメッセージにある、リンクや添付ファイルを開かないようにしましょう。
  • 大学の公式サイトや、大学からの正式な連絡で続報を確認しましょう。

何が起きたのか

2025年12月22日の朝、大学の授業運営に使う教務支援システムが使えなくなりました。大学は運用に関わる事業者に調べてもらい、その日の昼に、システムのサーバにあるファイルがランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。というウイルスで暗号化されていたことが分かりました。大学はすぐにシステムをインターネットなどの外のネットワークから切り離し、サービスを止めました。12月26日に文部科学省へ報告し、2026年1月5日に警察へ通報しています。そして1月8日に「第1報」として公表しました。

なぜ起きたのか・なぜ広がったのか

大学は外部からの不正アクセス使う権限のない人が、他人のIDやパスワード、システムの弱点を使って、サービスやサーバーに入り込むことです。日本では「不正アクセス禁止法」で禁止されている犯罪です。によるものと説明しています。ただ、どこから侵入されたのかは調査中で、まだ発表されていません。被害は教務支援システムの中にとどまっているとされています。

いまの状況2026-01-23 時点続報待ち

第1報の時点で、教務支援システムは安全を確認するため止まっています。被害の範囲、侵入経路、情報が漏れたかどうかは、事業者と連携して調査が続いています。再開の時期、補償、再発防止策はまだ発表されていません。

企業として考えたいこと

自社の中核システムが休日にランサムウェア会社のパソコンやサーバーのデータを勝手に暗号化(鍵をかけて読めない状態に)し、「元に戻してほしければお金を払え」と要求するマルウェアです。データが使えなくなるため、受注・出荷・診療などの業務そのものが何日も止まることがあります。で暗号化されたとき、その日のうちに切り離し、どのくらいの日数で元に戻せるか、決まっているでしょうか。

技術的な要約

公立大学法人 沖縄県立看護大学は2026年1月8日、同大学が運用する教務支援システムへの外部からの不正アクセスによりランサムウェア感染被害が確認されたとして「第1報」を公表した。2025年12月22日朝に同システムが利用できない状態となり、関係事業者の調査で、システムを構成するサーバのファイルがランサムウェアにより暗号化されていたことが判明した。大学は直ちに当該システムを外部ネットワークから遮断しサービスを停止し、12月26日に文部科学省へ、2026年1月5日に警察へ報告・通報した。被害は教務支援システムに限定されているとされるが、学生情報を含むため、個人情報が外部に流出した確証はないものの漏えいの可能性は完全には否定できないと説明している。被害範囲・侵入経路・情報漏えいの有無は調査が継続されており、システムは安全確認のため停止中である。

公開情報が限られている点について
本事案の大学公式発表(第1報)は提供された出典に含まれず、報道2件に基づく。出典[2]は2023年の別事案(学生メールアカウント詐取)のため本事案には使用していない。侵入経路・件数・情報の種類は未公表で、判定④(高機微データ・1万件以上)は別事案の数値に由来する可能性があり、要確認。
侵入
—
被害発生
2025-12-22
検知
2025-12-22
第1報公表
2026-01-08
最新続報
2026-01-23
侵入 → 検知
—
侵入日が非公表
検知 → 公表
17日
データ(上限)
—
確定 —
波及先
—

攻撃の分類

侵入口
不明
大学は「外部からの不正アクセス」と説明しているが、侵入経路は調査継続中で、公表されていない。
脆弱性
CVE 非公表不明
悪用された脆弱性・製品名は公表されていない(侵入経路は調査中)。
攻撃者
特定・主張なし
ATT&CK

影響

業務停止
あり サーバ内のファイルが暗号化されたことで、教務支援システムは安全確認のため停止中。被害は同システムに限定されているとされる。
期間:2025-12-22から、少なくとも2026-01-08の第1報時点まで停止中(再開時期は公表なし)
データ
おそれ上限 —確定 —
個人情報が外部に流出した確証は確認されていないが、学生情報を含むシステムのため漏えいの可能性は完全には否定できないと大学は説明。件数・情報の種類は公表されていない。なお出典[2](2023年の学生メールアカウント詐取事案)は別事案であり、本事案の件数には含めていない。
波及先
—
金銭影響
—
サプライチェーン
委託先経由や他組織への波及は公表されていない。

時系列

  1. 2025-12-22
    朝、教務支援システムの障害を確認し、関係事業者へ調査を依頼。システムが利用できない状態となった。12
  2. 2025-12-22
    同日昼、関係事業者の調査によりランサムウェア感染によるサーバ内ファイルの暗号化を確認。12
  3. 2025-12-22
    大学が当該システムを直ちに外部ネットワークから遮断し、サービスを停止。1
  4. 2025-12-22
    同日夕方から12月26日まで、関係事業者と大学による情報共有会議を実施。1
  5. 2025-12-26
    文部科学省へ報告。1
  6. 2026-01-05
    警察へ通報。1
  7. 2026-01-08
    大学が教務支援システムへの不正アクセスとランサムウェア感染被害について「第1報」を公表。12
  8. 2026-01-09
    セキュリティ対策Labが公表内容を報道。被害範囲・侵入経路・情報漏えいの有無は調査継続中。1
  9. 2026-01-23
    ScanNetSecurityが、教務支援システムが利用できない状態になった旨を報道。2

技術解説

公表されている経緯と初動対応 事実

報道によると、公立大学法人 沖縄県立看護大学は2026年1月8日に「第1報」を公表した。内容は、同大学が運用する教務支援システムが外部から不正アクセスを受け、ランサムウェアに感染したというもの。2025年12月22日の朝にシステムの障害を確認し、関係事業者に調査を依頼した。同じ日の昼、システムを構成するサーバのファイルがランサムウェアで暗号化されていたことが分かった。大学はすぐに当該システムを外部ネットワークから切り離し、サービスを止めた。12月22日夕方から12月26日まで、関係事業者と大学で情報共有会議を開いている。そのうえで12月26日に文部科学省へ報告し、2026年1月5日に警察へ通報した。障害の確認から暗号化の判明までは同じ日のうちに進んでいる。一方、公表(第1報)は障害確認から17日後だった。

公表されている被害範囲と、まだ分かっていないこと 事実

大学の説明では、被害は教務支援システムに限られている。サーバ内のファイルが暗号化されたため、システムは安全確認のために止めている。個人情報が外部に流出したことを示す確証は見つかっていない。ただ、学生情報を含むシステムなので、漏えいの可能性は完全には否定できないとしている。被害範囲、侵入経路、情報漏えいの有無は、関係事業者と連携して調査が続いている。公表された情報には、次の内容が含まれていない。対象となる学生の人数や記録の件数、含まれる情報の種類、悪用された製品や脆弱性、攻撃者の名前や身代金要求の有無、システムを再開する時期。件数は上限も確定値も示されていない。2026年1月23日にはScanNetSecurityが、システムが利用できない状態になったことを報じている。

初動の速さと外部への報告の間隔についての評価 解釈

障害を確認したその日の昼に暗号化を突き止め、すぐにネットワークから切り離した。これは被害を教務支援システムの中にとどめるうえで、効果が大きかった可能性がある。大学が「被害は限定されている」と説明できているのも、この早い切り離しが背景にあると考えられる。一方で、文部科学省への報告は4日後、警察への通報は14日後、公表は17日後だった。年末年始の休みにかかったこと、関係事業者との事実確認を優先したことが影響した可能性はある。ただ、その理由は公表されていない。学生情報が漏えいした「可能性」がある段階では、本人に早めに知らせて注意を促すことと、正確な情報を出すことの両立が課題になる。外部への報告や公表のタイミングを、あらかじめ手順として決めておく意味は大きいと考えられる。

教務支援システムの停止が持つ意味 解釈

教務支援システムは一般に、履修登録や成績の管理、授業に関する連絡など、大学の授業運営の中心を担う。停止は2025年12月22日に始まり、少なくとも第1報の時点(2026年1月8日)まで続いていた。後期の授業期間や成績処理の時期と重なった可能性があり、代わりの手段での運用が必要になったと推測される。ただし、具体的な業務への影響や代わりの運用の内容は公表されていない。また、システムの運用には「関係事業者」が関わっており、調査もその事業者に依頼している。この点から、構築や保守を外部に委託した体制だった可能性がある。とはいえ、侵入経路が分かっていない現時点で、委託先経由の侵入だったと判断する根拠はない。調査結果を待つ必要がある。

同じ大学の2023年の別事案(参考) 事実

同じ大学は2023年5月16日、本件とは別の事案を公表している。学生1名の大学メールアドレスとパスワードがだまし取られ、Microsoft365のサービスを悪用して迷惑メールが送られたというもの。2022年12月6日から2023年3月8日までに、12,941件の迷惑メールが不特定多数の宛先へ送信された。漏えいした可能性がある情報は、当該アカウントのメールボックスの中のデータ(メールアドレス、氏名、メール本文、添付ファイル)。件数は、学内関係者宛てが330件、大学の外の人宛てが139件だった。パスワードはすでに変更されており、変更後の不正アクセスは確認されていない。大学は再発防止策として、教職員と学生への情報リテラシー研修とセキュリティの強化を挙げていた。この事案の数値は、本件(教務支援システムへのランサムウェア攻撃)の被害件数には含まれない。

対応

封じ込め
教務支援システムを直ちに外部ネットワークから遮断しサービスを停止。関係事業者と大学による情報共有会議を2025-12-22夕方から12-26まで実施し、被害範囲・侵入経路・情報漏えいの有無の調査を継続している。システムは安全確認のため停止中。
公表の仕方
2026-01-08に「第1報」を公表。個人情報流出の確証はないが、学生情報を含むため漏えいの可能性は完全には否定できないと説明。
当局対応
  • 文部科学省(2025-12-26 報告)
  • 警察(2026-01-05 通報)

教訓と対策

教訓具体的な対策
ランサムウェアでサーバ内のファイルが暗号化されると、中核の業務システムが長く止まることがある。教務支援システムなど中核システムのバックアップを、ネットワークから切り離した場所や、上書き・削除できない保存先に置く。年1回以上、別の環境に戻せるか復元テストを行い、どのくらいの時間で元に戻せるか(RTO)を実際に測っておく。
障害が起きた当日にネットワークから切り離したことが、被害の広がりを抑える判断になった可能性がある。システムごとに、外部ネットワークから切り離す手順と、それを決められる担当者を、運用手順書に書いておく。夜間や休日でも委託先と大学のどちらからでも切り離せるよう、連絡網と操作の権限を整えておく。
侵入経路を特定できないと、再発の防止も、漏えいの有無の判断も難しくなる。サーバ、VPN・リモート保守の経路、ファイアウォールの通信記録を、改ざんされにくい別の場所へ送って90日以上保管する。外へ大量のデータが送られていないかを後から確かめられるよう、外向き通信のログも残す。
委託先が運用するシステムでは、保守のための接続口や管理者アカウントが攻撃の入口になることがある。委託先がリモート保守に使う接続経路とアカウントを一覧にまとめる。多要素認証を必須にし、接続できる元のIPアドレスを制限し、保守の時間だけ接続を許可する。あわせて機器の脆弱性を修正する期限を、契約で決めておく。
漏えいの「可能性」がある段階では、本人への連絡や当局・警察への報告のタイミングを、その場で判断することになりやすい。インシデントの重大度に応じて、所管官庁・警察・個人情報保護委員会への報告と、本人への連絡を何日以内に行うかを、事前に規程で決めておく。年末年始などの長期休暇中に誰がどう動くかも机上訓練で確かめておく。

自組織などでの確認項目

  1. 学生情報や顧客情報を持つ中核システムについて、ネットワークから切り離したバックアップがあるか。実際に復元テストを行い、元に戻るまでの時間を測ったことがあるか。
  2. 委託先が運用・保守するシステムのリモート接続経路と管理者アカウントを、自組織で一覧として把握しているか。多要素認証や接続元の制限はかかっているか。
  3. サーバが暗号化されたとき、暗号化の前に外へデータが持ち出されたかどうかを判断できるだけの通信ログを、どのくらいの期間保管しているか。
  4. 長期休暇中にランサムウェア被害が起きた場合、ネットワークからの切り離し、所管官庁・警察への報告、公表を、誰の判断で何日以内に行うか決まっているか。

未解明点

  • 侵入経路と、悪用された製品・脆弱性(委託先の保守経路が関係していたかを含む)
  • 暗号化の前にデータが外へ持ち出されたかどうか
  • 対象になり得る学生の人数と、教務支援システムに含まれる情報の種類
  • 攻撃者の名前、身代金の要求の有無、リークサイトへの掲載の有無
  • 教務支援システムを再開する時期と、止まっている間の代わりの運用
  • 第2報以降の続報と、再発防止策の内容

出典

  1. 1
    セキュリティ対策Lab(合同会社ロケットボーイズ)2026-01-09報道本文確認済
  2. 2
  3. 3
    沖縄県立看護大学2023-05-16公式本文確認済